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夢幻水滸伝

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第百三話 大国の狙いその十

「色々あるからね」
「食べる機会も多くて」
「相当だから」
「軍のベースに入ると」
 ホーソーンも述べた。
「休日の朝のビュッフェとかめっちゃ肉料理出るし」
「軍のそれはカロリーが高いにしても」
 身体を動かす仕事だからだとだ、ホーソーンは話した。
「アメリカを象徴しているとしか」
「思えへんね」
「ほんまにな」
 ホーソーンはフォークナーに応えた。
「それで脂も多くて」
「気をつけないとね」
「髪の毛にくるな」
「ほんまに」
「髪の毛の話は止めろや」
 トウェインは何処か怒ってだ、彼等に忠告した。
「うちの祖父ちゃんその話すると洒落ならん声で怒るからな」
「それで、ですか」
「聞くとそのこと思い出すからな」
 だからだとだ、トウェインは飲みつつフォークナーに答えた。
「わいのおらんところでな」
「話して欲しいですか」
「そや、そうしてくれるか」
「わかりました」
 それならとだ、フォークナーも他の面々も頷いた。だがトウェインはその彼等に対して飲みつつ自分から話した。
「うちの祖父ちゃんの髪の毛は二十八でいってもうたらしい」
「早いな、それ」
 メルヴィルも横で話を聞いて仰天した。
「二十代でか」
「そや、凄いやろ」
「イギリスの王子様並やな」
「それでや」
「髪の毛のこと言うとか」
「雷神みたいに怒る」
「雷神ってトールか」
 メルヴィルはトウェインに彼の神具から話した。
「そっちか」
「ハオカーでもええけどな」
「ネイティブの雷神やな」
「あとゼウスでもな」
「あの神様もよお怒るしな」
 ただしその怒りはギリシア神話の神々や人間の例に漏れず理不尽であることが多い。とはいってもゼウスは他の者達の様にサイコ殺人的な殺し方はしない。
「とにかくな」
「雷神みたいにか」
「髪の毛の話したら怒る」
「そら二十代でいったらな」
「気持ちもわかるやろ」
「ああ、そうなりたくないな」
「あの、二十代でとは」
 ギンズバーグも目を天にさせて述べた。
「それは幾ら何でも」
「早いやろ」
「それはまた」
 言葉を選びつつ言うのだった。
「極端ですね」
「そや、だからや」
「そのお話をされると」
「怒る、もう一本もないしな」
「完全にですか」
「いってもうたわ」
 髪の毛がというのだ。
「若い頃の写真見たら七色アフロやったのにな」
「それで思いきり髪の毛傷めたんやな」
 メルヴィルはここでわかった。 
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