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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十八話 キーウィ入りのカレーその五

「イギリスからね」
「日本に伝わっていますね」
「そうなんだよね」
「それでそのビーフシチューが肉じゃがになることは」
「凄いことだよ」
「わたくしも肉じゃが好きですわ」
 ジョーンさんも笑顔で言ってきた。
「素敵な和食ですわね」
「けれどあれがね」
「ビーフシチューから、ですわね」
「生まれたからね」
「確かに食材は」
 これ自体はだ。
「同じものが多いですわね」
「お肉にじゃがいも、人参に玉葱で」
「そうですわね」
「そこにね」
 ここからだ、問題は。
「お醤油とみりんで味付けるんだよね」
「デミグラスソースでなくて」
「うん、それでね」
「肉じゃがですわね」
「もう全然ね」
 それこそだ。
「違うものになるんだよね」
「同じ食材でも」
「調味料が違うから」
 そうなった理由は諸説ある、東郷平八郎さんが体調を崩していて給養の水兵さん達が元気になってもらう為に作ったが食材はともかく調味料を間違えてとのことというのがよく言われているが細部が違っているのだ。あの人由来にしても。
「それでね」
「ああしたものになりましたのね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「ビーフシチューはシチューで」
 このことは絶対だからだ。
「汁気が多いけれど」
「それでもですわね」
「肉じゃがはね」
「じゃがいもが多いですわね」
「何といってもね」
「そうですわね」
「ビーフシチューはルーと牛肉がメインで」
 その名前の通りにだ。
「肉じゃがはね」
「お肉よりもですわね」
「もうじゃがいもがね」
 何といってもだ、
「メインだね」
「そこは違いますわね」
「おかずだよ、ご飯の」
 肉じゃがはそれだ。
「完全にね」
「味付けにしましても」
「うん、完全にね」
 何といってもだ。
「お肉とね」
「じゃがいもで食べるものですわね」
「そうなんだよね、これが」
「随分変わりましたわね」
「本当にね」
「そういえば肉じゃがも」
 居合部の娘が言ってきた。
「維新に関係あるでしょうか」
「ちょっと時代がね」
「違いますか」
「あれは明治時代に入って結構経ってからだから」
「そうですの」
「東郷平八郎さんも幕末に関わっているけれど」 
 戊辰戦争に軍艦に乗って参加しているのだ。
「それでも活躍したのはね」
「日清、日露ですね」
「明治の終わり頃の人だから」
 主な活躍の時期はだ。
「だからね」
「幕末、維新では」
「主役じゃないから」
「肉じゃがについても」
「維新の頃の食べものにはならないんだ」
「そうなんですね」
「明治の頃の食べものでもね」
 このことは事実でもだ。 
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