八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百三十七話 占ってもらってその十五
「先輩なりね」
「じゃあ姉さんは」
「それもね」
別にとだ、僕はブロンソン君に答えた。
「いいと思うよ」
「そうなんだね」
「別にね」
「じゃあ姉さんでいいかな」
「英語だとシスターね」
エルザさんは英語を使うオーストラリア人として述べた、尚この国の英語は結構訛りが強いみたいだ。
「それだと」
「そうですね、血縁関係ですね」
「血はつながっていないけれど」
それでもというおだ。
「いいのかしら」
「そうですよね」
「日本だと別に」
僕はエルザさん達にすぐに答えた。
「愛称ならです」
「いいのね」
「はい、姉さん兄さん位なら」
「そうなのね」
「やっぱりヤクザ屋さんの話になりますが」
ここでもこちらの世界の話になる、どうも表社会にも裏社会の表現が浸透している。表と裏は案外近いということだろうか。
「兄貴姉貴はどっちかっていうと」
「日本のヤクザ屋さんの」
「表現ですね」
「ここでもヤクザ屋さんね」
「任侠の世界は義兄弟とかありますから」
「そういえばアメリカとかでも」
「そういうのありますね」
マフィアの社会ではだ。
「中国でもそうですし」
「裏の世界では」
「はい、それで義兄弟なら」
その契りを結ぶとだ、盃をマジわせるというか。
「それならです」
「姉貴兄貴なのね」
「それと兄弟とかです」
「言い合うのね」
「はい、あっちの世界は」
「兄さん姉さんではなく」
「英語では意味は同じですけれどね」
武士社会だと兄上姉上だ、兄君姉君だと武士でも上位かお公家さんか。
「日本語はです」
「その表現がなのね」
「結構違いますから」
「立場によって」
「それでなんです」
「ヤクザ屋さんみたいな表現は」
「使うとやっぱり」
どうしてもだ。
「よくないかも知れないですね」
「そうなのね」
「はい、まあ兄者とか姉者とかは」
「古風ね」
「そうですね」
これも武士だろうか。
「時代劇みたいな」
「忍者だね」
ブロンソン君が笑って言ってきた。
「兄者姉者だと」
「忍者かな」
「うん、僕はそう思ったよ」
「まあ忍者ものでもね」
そう言われるとだ。
「こうした表現はね」
「使ってるよね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「忍者の話をすると」
どうしてもだ。
「日本人もそうだけれど他の国の人達が」
「喜ぶかな」
「飛びつく感じでね」
もうアメリカだけじゃなくて中国でも欧州でも東南アジアでもだ、勿論オーストラリアから来た子達もだ。
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