夢幻水滸伝
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第百二話 大社の中でその八
「そのことも大きいですね」
「星のモンの四分の三以上がいるでごわす」
「しかも星の者がまとまっている」
「欧州は今はバラバラでごわす」
肝心の星の者達がというのだ。
「一人一人で動いているでごわす」
「今もそうなので」
「統一が進んでいないでごわすよ」
「そうなのですね」
「太平洋とは違うでごわす」
「そうですか」
「まあ欧州はそうした状況でごわす」
北原はこうヴォネガットに話した。
「こちらより遥かに大変でごわすな」
「北朝鮮の様な勢力もありそれでは」
セリューもここまで聞いて述べた。
「あちらは本当に厄介ですね」
「そうだね」
オニールはセリューのその言葉に頷いた。
「あちらは」
「まあ欧州は欧州として」
ジェーンはここでこう言った。
「僕ちん達は僕ちん達でね」
「今はっすね」
「やっていきましょう」
「それが結論ね」
「やっぱりそうでしょ」
ジェーンは自分に顔を向けて言ってきたセリューに答えた。
「僕ちん達は」
「太平洋は太平洋ね」
「今は統一を考えないと」
「そうっすね、そんでその中で」
セリューは北原も観て述べた。
「日本とも」
「受けて立つでごわす」
北原はそのセリューに不敵な笑みで応えた。
「そうするでごわす」
「全力でぶつかり合うっすね」
「そしてでごわす」
そのうえでというのだ。
「統一でごわす」
「そうなるっすね」
「勝ち残った勢力がでごわす」
「太平洋を治める」
「そうなるでごわす」
こう言うのだった。
「いいでごわすな」
「承知したっすよ」
「そうそう、正々堂々と戦ってね」
ケルベロスもセリューの横から言ってきた。
「勝ち残った勢力が軸になってね」
「統一の後は皆で」
「平和に治めていかないとね」
「そうっすね」
「ケルベロスの言うことは正論だよ」
オコナーはケルベロスに笑って話した。
「本当にね」
「僕も考えて言ってるからね」
「神具としてだね、ただね」
「ただ?何や?」
「いや、あんたその外見だろ」
オコナーはケルベロスのその姿を観て言うのだった、三つ首に多くの蛇が生えている恐ろしい姿に対して。
「牙には猛毒もあってね」
「怖いっていうんだね」
「外見や能力はね」
そうしたものはというのだ。
「本当に。けれど実は良識派でしかも優しいね」
「ケルベロスは悪人や脱獄者には厳しいんだよ」
ケルベロスはオコナーにこのことを断った。
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