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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十七話 占ってもらってその十二

「何か生物的にも他の狼と種類が違うらしくて」
「そうなの」
「森、しかも山に棲む狼で」
 こうした狼は特殊らしい、平原にいるか森の中でもツンドラとかにいるらしい。
「小型で骨格もです」
「普通の狼と違うの」
「はい、それで小さくて」
 このことは狐や鹿や熊もだ、日本の本州や四国、九州の野生生物は森林地帯にいることと気温のせいか小型なものが多い。
「人もです」
「襲わないのね」
「だから普通に山に一人暮らしをしても」
 徒然草の神無月の頃の庵みたいにだ。
「安全だったんです、熊はいても」
「日本の熊も小さいわね」
「ツキノワグマは。この熊も滅多に人襲わないですから」
 この辺りヒグマと違う、北海道のこちらは羆嵐という言葉にあるけれど怖い。開拓期の何人も殺された話は物凄い。
「ですから鬼の方が」
「童話では怖がられてるのね」
「本当に狼は別に」
 日本ではだ。
「怖がられていなくて」
「むしろいなくなって」
 日本の殆どの地域にだ。
「大変なことになってるのね」
「そうなんです」
「そうなのね」
「はい、ですから」
 ここで僕はまたブロンソン君を見てエルザさんに話した。
「僕としてもフクロオオカミは」
「いて欲しいのね」
「出来れば」
「絶滅していると」
「ニホンオオカミみたいなことはありますし」
 現実としてだ。
「それにいないってなると」
「寂しいわね」
「残念に思いますよね」
「ええ。我が国は絶滅した動物が多くて」
 エルザさんは僕にこうも言った。
「それも世界一だから」
「世界一ですか」
「残念なことにね」
「そうだったんですか」
「だから余計に思うの」
 思えばエルザさんはアボリジニーの血を引いている、自然を大事にするどころかその中で生きているオーストラリアの原住民の人達だ。
「もうこれ以上ね」
「動物の絶滅は、ですね」
「ないに越したことはないわ」
「そうですよね、やっぱり」
「そう思うと動物園も」
 こちらもというのだ。
「生きものの保護にはね」
「いいですよね」
「ええ、動物園で保護をして」
 そしてというのだ。
「それで絶滅しないならね」
「いいですよね」
「動物園や水族館が残酷とか言うなら」 
 世の中そうした人もいる、生きものを見世物にするなと。
「そうした人達はね」
「代案を出すべきですか」
「絶滅を防ぐね」
「そうした人って代案出さないですよね」
「ラッコを飼うなと言っても」 
 ラッコも希少動物だ、だから保護が必要だ。
「それでラッコが絶滅したらね」
「意味ないですよね」
「そうした人達は自己満足よ」
「動物園で保護することが駄目だって言って」
「他の保護の方法出さないなら」
「その自然環境を保護するならともかく」
 ラッコならラッコがいるベーリング海等北太平洋の自然環境をそうしてだ、ラッコは寒い海に棲んでいるのだ。 
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