夢幻水滸伝
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第百二話 大社の中でその三
「そこはケルベロスも知ってるんじゃ」
「わかってて言ったんだよ」
ケルベロスは三つの頭で笑って話した。
「僕にしても」
「そこちょっと性格悪いと」
「軽いジョークと思ってくれよ」
「じゃあそう思うよ、とにかく織田ちゃんは仏教のお坊さんだからね」
それでとだ、オニールはまた言った。
「彼に聞けばわかるからね」
「だからだね」
「うん、明日にでも彼とお話して」
そうしてというのだ。
「確かめるよ」
「そういうことでだね」
「日本の言葉だったね」
こう前置きしてこうも言うオニールだった。
「餅は餅屋ってね」
「この場合の餅はお米のお餅よね」
セリューは餅というその言葉に反応した。
「私も好きっす」
「アメリカでも売ってるしね」
「ええ、麦のお餅も」
「そっちはチャイナの餅だね」
「それでチャイナにもお米のお餅があって」
「この辺り面白いよね」
「コリアだとお餅はトッポギっすよ」
セリューは笑ってこちらの料理の名前も出した。
「弾力がいいっすね」
「そうだよね」
「私としては」
今度はミニーが言ってきた。
「お団子も好きで」
「あれはお餅じゃないけれどね」
「似たものよね」
「そうだよね、あれは小麦粉だったね」
「それと黍団子も」
「桃太郎だね」
「あれも美味しいわね」
「そうだよね」
「黍団子はアメリカでは食べたことないけれど」
ルイーザも会話に入ってきた。
「美味しいわね」
「ルイーザも黍団子好きなんだ」
「お菓子なら何でも」
これがルイーザの返事だった。
「日本のものもアメリカのものも」
「そうだよね」
「そして中国のものも」
ルイーザは中国系であることからも話した。
「好き」
「じゃあ逆に嫌いなお菓子は」
「ないから」
「そうなんだね」
「ちなみに嫌いなものは腐ったもの」
「普通は食べないね」
そうしたものはというのだ。
「というか食べたら駄目だよ」
「そうしたの以外は食べて」
「好きなんだね」
「うん」
ルイーザはオニールにこくりと頷いて答えた。
「お菓子なら」
「それはわかったよ、ただ食べるものはね」
「栄養バランスも考えて」
「我が国はやたら肥満のことを言われてるしね」
「それは気を付けてるから」
「うん、充分以上に気をつけてね」
「体脂肪率は二十五」
「女の子だったらそれ位かな」
「そんなものだろ」
大柄なドワーフ、ドワーフジャイアントの男だった。着ている服は軽装の革鎧と上着にズボンという恰好だ。人醜星ハリー=オコナーだ、アメリカニューメキシコ州出身である職業は獣使い持って言る神具は一度に多くの動物やモンスターを操れるウアスの杖である。
「大体」
「そうなの」
「女の子は男より脂肪が多いからな」
「胸とか」
「ああ、身体つきが違うんだよ」
男とは、というのだ。
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