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夢幻水滸伝

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第百一話 超大国の者達その十二

「あの連中やな」
「奈良の鹿ですね」
「ここの神様の使いやってことで大事にされて」
「平城京の象徴の様に扱われて」
「ああなったわ」
「傍若無人になりましたか」
「そや」
 そうなったというのだ。
「こっちの世界でもあっちの世界でもな」
「あの連中でかいしな」
 トウェインは鹿達の大きさについても言及した、実は鹿という生きものの身体は存外大きいものなのだ。
「それで食うしな」
「昨日子供のお菓子を奪って食べていました」
 ボームは自分が観たことを話した。
「そして人が読んでいた雑誌もお弁当の唐揚げも」
「肉まで食うか」
「そうしていましたが」
「あの連中雑食か?」
「人の弁当を奪ってそこでお口に入るのかと」
「狙って食ってはないか」
「流石に」
 鹿は少食性である、流石にこの属性を無視した食事は摂っていないということだ。
「ですがその食事量やるわ」
「ここでも餌もらってるやろ」
「そして煎餅も」
 鹿煎餅だ、平城京名物の一つだが草から作られており人間が食べるものではない。
「かなり食べていますが」
「それでもかいな」
「幾らでも食べます」
「そやからあの大きさか」
「そしてあの性格かと」
「何ちゅう奴等や」
 トウェインはボームの話を最後まで聞いてこう述べた。
「今心から思ったわ」
「神の使いはやりたい放題ってことですね」
 ガーランドはやや苦笑いになって述べた。
「道理で平城京の人達が嫌ってる筈ですよ」
「地元の人達は流石によお知ってるな」
「そういうことですね」
「まあ猿よりましか」
 ここでトウェインはこうも言った。
「流石に」
「ああ、ニホンザルですね」
「あの猿共は洒落になってないわ」
「動きが半端ないですからね」
「しかも数も多くてな」
「そうした連中ですから」
「あの連中はな」
 それこそというのだ。
「鹿よりもな」
「厄介ですね」
「敵になっても猿の系統の獣は厄介やろ」
「変に頭もいいので」
「猿は最悪や」
「はい、ですがその猿ですらです」
「日本では神様の使いやな」
 トウェインはどうかとう声で述べた。
「それはある意味尊敬出来るな」
「あんな連中を神様の使いに出来ることは」
「日光とかやったな」
「はい、あそこではですね」
「関西でもそうした場所あったと思うけどな」
「あと太閤さんも」
 豊臣秀吉、彼もというのだ。 
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