| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百三十六話 女子サッカー部の屋台でその七

「信憑性はね」
「あまりないのね」
「うん、僕としてはね」
「梅毒だったとかは」
「そうであって欲しくないね」
 僕個人としてはだ。
「これ芹沢鴨さんもだったとか言われてるけれど」
「新選組の」
「初代局長のね」
「あの人実はうちのクラスで人気あるの」
「そうなんだ」
「強かったでしょ」
 このことはもう言うまでもない、新選組の中でも指折りの強さであったことは事実だったとのことだ。
「しかも剽軽で器が大きかったのよね」
「色々言われてるけれどね」
 酒乱とか乱暴者とかだ。
「それでもね」
「子供と一緒に遊んだりね」
「お葬式の時とかね」
 新選組がお世話になっている人の家のそれを手伝おうと近藤勇にわざわざ言って手伝ったりもしたのだ。
 そしてその時にだったのだ。
「子供さん達と一緒に遊んだりね」
「そうよね」
「落書きを書いてみせたりね」
「他にも面白い逸話あって」
「肝っ玉は言うまでもなかったしね」
 会津藩の人達に槍を突き立てられて一緒にいた近藤勇達が怯んでも一人平然と前に出て槍の穂先を仰いで見せて笑ってその間を通り過ぎてみせたらしい。それを見た都の人達も思わず喝采したという。
「教養もあったし」
「和歌を詠んだり」
「まあ新選組の人そういう人いたけれど」
 土方歳三は俳句が好きだったし近藤勇は漢詩が好きだった。
「とにかく粗暴一辺倒かというと」
「違ったのね」
「武士であったからね」
 この誇りもあってだ。
「しっかりとしたね」
「そうした人だったのね」
「結構人望もあったから」
「そうそう、それでね」
「ニキータさんのクラスでも」
「恰好よくないかってなって」
「出しもので調べているうちに?」
 僕はニキータさんに尋ねた。
「それでかな」
「そう、そうなってね」
「そうだったんだ」
「それで人気が出たの」
「そうだったんだね」
「確かに酒乱で乱暴なのは困りものでも」
 それでもというのだ。
「そうしたところはね」
「いいってなって」
「評判いいわよ」
「そうなったんだね」
「というかね」
「というか?」
「いや、僕も調べてびっくりしたから」
 芹沢鴨という人についてというのだ。
「最初は乱暴なだけかと思っていたら」
「それが違っていたね」
「面白い人ね、あれならね」
「局長になるのも当然だよね」
「頼りになる人だったみたいだし」
「だから人望もあったんだ」
 当時浪士組といった組織の中でだ。
「近藤勇よりもね」
「それよね」
 ニキータさんは僕の今の言葉にはっきりと答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧