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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  第2話『怪獣王の雄叫び』

「やはり、最近どうもこの国の放射線量が微弱だが上昇している。」
雅は調べ物をしながら言う。
「それって大丈夫ですか?」
「もし大丈夫じゃなかったら今頃緊急警報がしかれている。この程度の上昇率なら緊急警報を発令する必要はない。それより、この上昇率の原因を調べるべきだ。それに最近、原子力発電所の電力供給が落ちていると聞いている。」
「うん。それが、核燃料のエネルギーが忽然と消えているみたいなの。」
「核燃料の消失に放射線量の上昇…一つ心当たりがある。調査を任せてもらえないか?」
「解った。私達は消えた流夜の捜索を引き続き行うね。」
「ああ。……まさか、把握出来なかっただけで、あの世界も融合していたのか?」
雅は原子力発電所に向かった。

「お待ちしておりました、雅国家象徴。」
「それで、消失した核燃料の量はどの程度ですか?」
「それが、1週間前から決まった量が決まった時間に無くなっていまして。丁度、今くらいの時間にまた無くなるんですよ。」
職員が雅に話していると、小さな揺れが起きる。
「この揺れは?」
「いや、解りません!?今までこんな揺れは起きていませんでした!」
「とにかく逃げましょう!」
雅は職員を誘導して発電所から避難させる。そして、その揺れの原因が発電所を内側から破壊するように現れる。
「グゥアアアアッグゥウウォッ」
そこにいたのは体長50メートルの巨大な怪獣だったからだ。
「あれは…やはりゴジラ!?」
雅は驚く。
「雅国家象徴、ご存知ですか!?」
「あれは核を食べる怪獣、ゴジラです。とにかくここは危険です。すぐに避難して下さい。」
雅は残っていた職員を避難させる。それに合わせて防衛省直属の軍人が戦車と戦闘機を操縦しながらやってくる。
「雅国家象徴、ここは私達に任せてください!」
軍人が雅に言う。しかし、
「あの怪獣、ゴジラを迂闊に攻撃しないで下さい。あの怪獣の体内には、巨大な核エネルギー炉があります。奴を殺した場合、何十年もの間、地球上は高濃度の核で汚染されます。」
雅は攻撃しないように話す。
「それでは、どうすれば!?」
「僕に任せてください。ゴジラにはテレパシーで会話が行えます。」
雅は自身とゴジラを結界で覆う。

“聞こえていますか?”
雅は念話でゴジラに話しかける。
“私の子はどこだ!お前達が連れ去ったことは解っている!”
ゴジラは強い怒りを込めて雅に返答する。
“僕も今始めて知ったことで、事情が解りません。ですから、事情を教えて下さい。事情がわからないと、僕も探せません!”
“子供がいなくなって、そんな悠長なことを言っていられるか!”
“ですから、誰があなたの子供を連れ去ったかわからない以上、探すこともできません!”
“そんなの、邪魔なものを壊せばすぐ見つかる!”
“それであなたの子供が巻き込まれたらどうするのですか!?”
“…解った。話を聞く。”
“まず、あなたの子供がいなくなったのは?”
“あれは、七回空が暗くなる前のことだ。お前達が私の子供と共に姿を消したんだ。”
『フェイト、リンカーコアの所有者の中で生物学者を探してくれ。エクシードデバイスに転移魔法は登録していない。そうなれば元から魔力を所有している人が限られる。そして、ゴジラを調べたがるのは生物学者に絞られる。頼めるか?』
“うん、任せて!”
雅は外で待機していたフェイトに指示を出す。
“今、僕の仲間にあなたのお子さんを探しに向かわせました。”
“信じていいのか?”
“はい。なので、僕達を攻撃するのは少し待ってもらえませんか?”
“構わない。ただし、空が暗くなるまでだ。”
『皆さん、ゴジラの子供を夕暮れまでに探して下さい!』
雅は待機している軍人に連絡をとる。
“さっきから出てくるゴジラとは何だ?”
“失礼しました。我々は、あなたのことをゴジラと呼称しています。名前はありますか?”
“呼ぶ名前はない。ないと困るのか?” 
“はい。もしよかったらゴジラと呼んでも構わないですか?”
“いい。お前は何と呼べばいい?”
“雅といいます。”
“そうか、ミヤビ。”
“それで、どうして発電所を、エネルギーを作っている場所を攻撃したのですか?”
“あれは私が憎むもの。そして私の食べ物だ。”
“やはりそうでしたか。”

その頃、フェイトは生物研究所に来ていた。
「すみません、こちらで最近恐竜型の生き物を見ませんでしたか?」
フェイトは質問をするが、返事来ない。
「それでは、今回の事件の調査の為に、施設内の捜査をさせていただきます。」
フェイトは生物研究所に進入する。

“しかし、あれは僕達が生きていくのに必要なものなのです。それを勝手に食べることはどうなのでしょうか?”
“あれは本当に無いと困るものなのか?お前達が自分の都合で何かに迷惑をかけているだけではないのか?”
“あのエネルギーは確かに、僕達の都合で作っているものです。ですが、ここは僕達の住み処、言わば巣なのです。巣で暮らす仲間の為に何かを犠牲にすることは、咎められる理由にはなりません。”
“確かに、それは間違っていない。だが、それなら私が生きるためにお前達のエネルギーを狩ることもまた、咎められるものではない。”
“そうですね。その通りです。ですから、共存できる方法を考えたいのです。”
“…共…存?”
“はい。ただ奪い合うだけではない。お互いがより安心して生きていける、そんな方法を考えたい。だから、ゴジラも解ってほしい。”
“お前達は相も変わらず身勝手なものだ。私をこんな姿にして、灼熱に落とし、勝手に海に沈めて、身勝手に私をまたこの姿にして、雷を浴びせ、そして殺そうとした。”
1980年代に現れた個体であるこのゴジラは、水爆実験によって恐竜が変異した姿であり、活火山に放り込まれ、それを泳いで逃げれば、水爆実験が起きる前に海の底に転移させられ、その海域でゴジラになってしまうが、超ドラゴン怪獣キングギドラを倒すために再び水爆をぶつけられ、ショックアンカーによって高圧電流を浴びせられ、対G兵器スーパーメカゴジラによって一度は殺された。ゴジラが人間を憎む気持ちはもっともである。しかし、
“だがお前は私が今まであった奴らと違う。私を殺そうとしない。話そうと努力した。そんな奴は始めてだった。”
ゴジラは己の過去を振り返る。自身の細胞を使われた植物怪獣ビオランテと殺し合い、守護者モスラと破壊者バトラに封印されないためにバトラを倒し、何もわからないままキングギドラ、そしてそれを改造したサイボーグ怪獣メカキングギドラと戦わされ、そしてメカゴジラのショックアンカー作戦に一度は殺されたが、ゴジラの子を自身の子と思っていたラドンによって命を繋いでもらった。そして、自身が陸にあがる度に人類からの攻撃を受けていた。ゴジラの命は、常に戦火の中にあり、共存を考えるものはいなかった。
“共存なんてできるの?”
“できます。いや、させてみせます!”
“どうやって?”
“今、この国の近くに人工的に作った埋め立て島があります。そこは本来、使用不可能になった核燃料の廃棄場所として考案されていました。そこなら、敵に襲われる心配も、餌に困ることもありません。”
雅はゴジラに提案する。
“…あの子が無事に生きられるなら、問題は無い。”
“ありがとうございます。”
ゴジラの思考は、すでに穏やかなものになっていた。
『雅国家象徴、あの怪獣、ゴジラについて、詳しく教えていただけないかしら?』
雅とゴジラが念話をしていると、リンディから連絡が入る。
『リンディ長官、どうしたのですか?ゴジラのような災害級事件は防衛省の担当のはずですが。』
『それが、かなりやばい内容でね。フェイトさんが調べたゴジラの子供を連れ去った犯人、どうも他の危険生物や絶滅危惧種生物にも同じように盗難行為を行っているみたいなの。』
『解りました。このゴジラは、ゴジラザウルスという恐竜の生き残りが水爆実験によって怪獣になった姿です。他にも、ゴジラという種類は元からこの姿だった個体もいるので、あの姿がゴジラザウルスの成体とみる見解もあります。ゴジラは現れる年代によって姿に差異がありますが、共通点として核エネルギーと争いを憎む本能、その核を食料にしてそれを攻撃手段に使う知能、そして、種族の子供はたとえ自分が生んでいなくても命がけで守り抜く性質があります。』
『その核を攻撃手段に使うというのはどういう手段か、教えていただけないかしら?』
『主な攻撃手段として体内にある核エネルギー炉を活性化させて熱線にして放つ能力を持っていて、熱線の発射のサインとして背ビレが青白く発光します。』
『ありがとう。それで、ゴジラを無力化する方法はあるかしら?』
『完全な無力化は事実上不可能です。極めて高い回復能力を持ち、たとえ心臓を破壊しても、尻尾にある「第二の脳」と呼ばれる神経束が生体活動を再開させる電気信号を流して心臓を再生させます。また、危険なことに爆死させた場合、その放射能汚染は地球上で十年以上にわたって発生し続けるデータもあります。』
『そう、ありがとう。これは、早急に事件を解決する方がいいわね。』
リンディは目星をつけた研究所に更に刑事を向かわせた。

to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「私の魔法が、使えない!?」
「どうだね、このAMFは?」
「お前達、それが人間のやることか!」
「頭は生きているうちに使うものだよ。」
「君も私の研究材料の仲間入りだ。」
次回『狂気のプログラム』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
今回登場したゴジラはVSシリーズの中でVSメカゴジラとVSスペースゴジラの中間点にあたる時系列のゴジラです。なので、子供の方もベビーゴジラの形態です。 
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