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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十四話 結核でその十

「大丈夫なんだ」
「そうなのね」
「うん、日教組なんて」
 それこそだ。
「日露戦争をそんな風に言ってるね」
「代表なのね」
「そうだからね」
 あと労働組合もそうらしい。
「だからね」
「学校の先生は、なのね」
「特に注意した方がいいよ」
「そうなのね」
「そう、それでね」
「それで?」
「実際は今僕が言った通りで」
 日露戦争、もっと言えば日清戦争もだ。
「戦うしかなくて」
「戦ってそして」
「勝ったね」
「そうした戦争ってことね」
「幕末、維新から考えると運命だった」
 幕末の騒乱も維新の政治も日本を守り生き残る為のことを思うとだ。
「そう言えると思うよ」
「戦うしかなかったってことね」
「そうなるね、しかし」
「しかし?」
「幕末の頃からあの戦争まで生きた人は」
 五十年の間にだ、桜田門外の変から伊藤博文さんが暗殺されるまでも本当にこれ位しかないことに驚かされる。
「幕末で有名な人って若い人多いのに」
「二十代の人がよね」
「龍馬さんだって三十四歳だよ」
 暗殺された時その若さだった。
「吉田松陰さんだって二十代だったし」
「皆若かったのね」
「けれど日露戦争まで生きた人は」
「殆どいないわよね」
「沢山の人が死んだね」
 振り返って見るとだ。
「暗殺や戦死や病気でね」
「病気も多くない?」
「うん、高杉晋作さんや沖田総司さんは結核で」
 この時代国民病だった、このことは二次大戦の頃までだった。
「あと癌とかもあって」
「五十年の間生きた人は」
「少なかったね、龍馬さんも病気だったそうだし」
「そうだったの」
「一説にはね」
 梅毒だったという、このことは浪士組初代局長だった芹沢鴨さんもだったと言われているがどちらの人も真相は不明だ。
「そうだったらしいから」
「長生きは出来なかったの」
「そうみたいだよ」
「長生きして欲しかったけれど」
 チェチーリアさんとしてはだ。
「無理だったのね」
「そうだったかも知れないんだ」
「そうなのね」
「結核とかもね」
 高杉晋作さんのこの病気もだ。
「なかったら」
「そう思えて仕方ないわね」
「明治や大正でも多くて」
 それでだ。
「樋口一葉さんもね」
「あの人も結核だったのね」
「うん、宮沢賢治さんもだったし」
 織田作之助、梶井基次郎、堀辰雄と結構な作家さんが命を落としている。森鴎外もそうだったし夏目漱石もだった。 
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