八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百三十四話 結核でその五
「何もかも残さない」
「そんなことしてたか」
「してたらね」
あそこの教科書みたいなことをだ。
「今のあそこないから」
「そうよね」
「うん、あそこの教科書はまた別で」
「あの漫画と比べても」
「遥かにおかしいから」
だからだというのだ。
「置いておいてね」
「それでなのね」
「あの漫画については」
「漫画とはいえなのね」
「やり過ぎた部分多いから」
それでだ。
「鵜呑みにしないでね」
「そういうことね」
「容堂公も板垣さんもね」
「土佐藩で龍馬さんと対立している人達は」
「悪く描かれ過ぎてるから」
漫画の誇大表現でもだ。
「そこはね」
「わかってなのね」
「読んでね」
「それじゃあね」
「そう、後ね」
僕はチェチーリアさんにさらに話した。
「実は坂本龍馬さんって面白い逸話があるんだ」
「どんな逸話なの?」
「死んでもね」
近江屋事件で佐々木唯三郎に暗殺されている、このことは新選組が犯人だったと当時思われていたらしい。
「日露戦争の時に」
「あっ、皇后陛下の枕元に」
「知ってたんだ」
「クラスで教えてもらったわ」
このことをというのだ。
「日本海海戦の勝利を言ったのよね」
「そうらしいんだ」
「そのお話は」
チェチーリアさんは僕に話してくれた。
「そういえばね」
「聞いたことあるかな」
「僕もね、本当のお話?」
「それはわからないけれど」
実際のところはだ。
「けれどね」
「そうしたお話もあるのね」
「そうなんだ」
これがだ。
「司馬遼太郎さんの本にもあるしね」
「そちらにも出てるの」
「そうなんだ、まあとにかくね」
僕はさらに話した。
「そうしたお話があったことはね」
「事実なのね」
「そうなんだ、真実はわからないけれど」
「とにかくあの戦争にもなのね」
「あの人は関係があるんだ」
「日本のことを想って言ったのかしら」
「そうだろうね、本当に言ったのなら」
明治皇后の枕元でだ。
「本当に日本のことを見ていて」
「その勝利を告げたのね」
「開戦前にね。あの戦争不思議なことが多かったけれど」
幕末、維新とは違うけれどだ。
「このこともね」
「その不思議なことの一つなのね」
「日本のことを思って」
そのうえでだ。
「それでね」
「龍馬さんは明治皇后の枕元に出て」
「日本海海戦の勝利を言ったんだ」
「そういうことね」
「あの戦争は日本の全てを賭けた戦争だったから」
まさに負ければ滅亡もあった、そんな戦争だった。
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