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八条学園騒動記

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第五百二十一話 おもちゃ屋の二階その六

「どうしようもないじゃない」
「そうね、有名というか」
「名前が知られてないと」
「幾らいいゲーム制作しても」
「それで売ってもね」
 無名ならというのだ。
「何の意味もないから」
「ゲームも売れないわね」
「だから広告があるんだ」
 この時代もというのだ。
「ゲームを売る為にもね」
「まずは名前を知られる」
「そうじゃないと」
 そもそもというのだ。
「どうしようもないから」
「だから炎上もありなのね」
「ネットでね」
「つまりあれね」 
 ジミーの話をここまで聞いてだ、パレアナはこう述べた。
「悪名は無名に勝る」
「そう、本当に」
「悪い意味でも有名になったらいいのね」
「やらかしてかえって有名になる芸能人いるよね」
「いるわね、確かに」
「暴言吐いたりして」
 こうしたことをして有名になる芸能人はこの時代でもいる。
「そりゃ洒落にならない馬鹿したら問題外だけれど」
「その場合人間性疑われてね」
「それでよね」
「干されるか消えるから」
 そうなってしまうからだというのだ。
「駄目だけれどね」
「あくまで程度の問題ね」
「ゲームだとね、また違うから」
「ゲームの内容やスタッフの塩対応で炎上しても」
「それでもね」
 そうした風になってもというのだ。
「まだね」
「いいのね」
「そうなんだ、芸能人だと誰彼なしの無礼三昧で馬鹿なことを言ったら」
 愚か者は何時でも何処でもいる、この時代の連合各国のそれぞれの芸能界においてもそれは同じなのだ。
「消えるけれど」
「ゲームメーカーだと」
「肝心のゲームが如何にクソゲーでもね」
 例えそうでもというのだ。
「何かがあったら」
「いいのね」
「そうだろうね、クソゲーでもね」
「何かあるクソゲーもあるのね」
「どうしようもないクソゲーもあれば」
 それと共にというのだ。
「質のいいクソゲーもね」
「あるのね」
「中には縦スクロールだけのRPGとか」
「横ないの」
「うん、もうね」 
 それこそというのだ。
「上から上をただ進んでいくだけの」
「それは面白くなさそうね」
「確か何とかの謎とか言ったかな」
「何とか?」
「ああ、南宋の謎だよ」
「南宋って中国の王朝よね」
「中国か何処かのメーカーが出したゲームで」
 ジミーはパレアナに自分の記憶を辿りつつ話した。
「それでね」
「南宋の謎をなのね」
「調べて行くゲームらしいけれど」
 それがというのだ。
「もうね」
「どうにもならないの」
「そうしたクソゲーで」
「売れなかったのね」
「やっぱりクソゲーオブザイヤーに輝いたけれど」
 それでもというのだ。 
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