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ベル・クラネルが魔剣使いなのは間違っているだろうか

作者:黄泉姫
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18話

「う、ううん。ここは……」
「あ、気がついた」
「ベル様…?」

リリルカは勢い良く起き上がる。

「ここは!?」
「ここはまだダンジョンの中だよ。モンスターの事なら気にしないで。モンスターが来たら連絡があるから」

そのままベルはリリルカの目を見ながら問いかける。

「どうして僕の魔剣を盗もうとしたの?」
「……」
「しかも姿を偽ってまで」
「そんなことを聞いてベル様はリリをどうするおつもりですか?」
「助けるよ」

リリルカの問に即答するベル。そんなベルを嗤う。

「ベル様はお人好しですね。冒険者なんて皆傲慢で醜い生き物だと思っていたんですが」
「他の冒険者がどうだかは知らないけど…リリルカさんの諦めたような絶望しているような顔が昔の僕と重なったからかな。だから、助けたいんだ」

話を聞いて俯くリリルカ。そして、意を決したように話し始めた。

「なるほど、ファミリアを脱退したいがために」
「同情はよしてください。リリは罪人ですよ」
「確かに方法は間違ってるかもしれないね」

ベルは自分が思ったことをリリルカに話し始めた。

「方法は間違いだね。でも、これはそもそもリリルカさんだけが悪い訳じゃない」
「……」
「これは気休めなんかじゃない。そもそも主神であるソーマ様はどうしてなにもしない?現状を理解してない訳じゃないでしょ?自身が作った酒が眷属(こども)たちにどんな影響を与えているのか理解してないわけがないでしょ?これはリリルカさんだけの罪じゃない。ファミリア全体の罪だ」
「では、どうしたら良いんですか!!」

リリルカは強く問いかける。

「リリルカさんは今のファミリアから脱退したいんだよね」
「…はい」
「だったら僕と一緒に交渉しにいかない」
「え?」

その言葉に理解が追い付いていないようだ。

「偽善だって言ってくれてもいいよ。自己満足だし独善的かもしれないけど…僕は君を助けたい」
「どうして…、どうして、ですか?」
「?」
「どうして、リリのために」
「困っていたら手をさしのべたいし、リリみたいなかわいい女の子が困っているんだ。助ける決まってるじゃないか」

ベルの言葉にリリルカは顔を赤くした。

「ベル様はとんだタラシですね」
「?」
「はぁ、まったくこれっぽっちも信頼はしてはいません」
「アハハ」
「でも…」

リリルカはまっすぐベルの瞳を見つめる。

「期待はしています」 
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