八条学園騒動記

「全六十面でね」
「その六十面全部をなんだ」
「クリアーしていったの、それで裏もあるの」
「そのゲームには」
「裏はアイテムの出し方全く違うから」
「また一から調べなおしだったんだ」
「それで皆また地獄見たのよ」
「地獄の楽しみだね」
「それをしてたのよ、いやあたしもこのゲームは」
　まさにと言うのだった。
「ちょっとやっててね」
「難しい？」
「コンテニューなし、アイテムの出し方わからないだと」
　そうした条件があると、というのだ。
「もうね」
「クリアー出来ないんだ」
「無理よ、けれど昔の人達はね」
「そこをクリアーしていたんだ」
「凄い人はワンコインでね」
　つまり一度もコンテニューせずにというのだ。
「そうだったのよ」
「世の中凄い人もいるね」
「全くよ、しかしね」
「このゲームクリアーした時は」
　その時はというと。
「凄い達成感と満足感があるわよ」
「そうなんだね」
「凄いゲームなだけにね」
「難しいから」
「その時の感慨はひとしおよ」
　そうなるというのだ。
「これがね」
「それはわかるよ、やっぱりね」
「難しいゲームであればある程ね」
「クリアーした時はね」
　その時はというのだ。
「達成感あるね」
「満足感とね」
「それがあるから」
　だからだというのだ。
「いいね」
「それであたしもよ」
「難しいゲームはいいんだね」
「ええ、ただまた言うけれど」
　難しいお顔でだった、パレアナはまた言った。
「難しいゲームはよくても」
「クソゲーについては」
「駄目だから」
　そっちはどうしてもというのだ。
「また言うわ」
「そうだよね」
「本当にね」　
　それこそとだ、パレアナはジミーに再び言った。
「あたしはクソゲーは駄目なのよ」
「それでそのドルアーガはどうかな」
「微妙ね」
　難しい顔になってだ、パレアナはジミーに答えた。
「プレイしてて思ったけれど」
「これはクソゲーかって」
「本当に攻略本とかサイトないとね」
　それこそというのだ。
「どうしようもないから」
「そこまで難しいから」
「だからね」
　それでというのだ。
「そうしたのを基準で言うと」
「クソゲーだね」
「それになるわ、けれどね」
「面白いことはだね」
「これが面白いのよ」
　パレアナも否定しなかった、このことは。
「いや、面白かったらね」
「クソゲーじゃないんだ」
「そうでしょ」
「それがパレアナの基準だね」
「クソゲーかどうかのね」
「それでそのゲームはクソゲーじゃない」
「あたしはそう思うわ」
　実際にというのだ。