八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百三十二話 好漢は心からその八
「居合って特別だよね」
「特別というと」
「いや、動き少ないよね」
「剣道と比べてでござるな」
「もう一瞬じゃない」
刀を一閃させてだ。
「そのことがね」
「どうもでござるか」
「僕としてはね」
「気になるでござるか」
「気になるっていうか独特だね」
特別という言葉をこうも言い換えた。
「本当にね」
「そう言われればそうでござるな」
「そうだよね」
「かなり独特でござる」
「相手を切るにしても」
刀はその為のものだ、このことは紛れもない事実だろう。
「剣道以上に求道的だね」
「相手を切るのではなく」
「自分の悪い心を切る」
「それが居合道でござるな」
「心が刀筋に出るっていうけれど」
俗にだ。
「それでもね」
「剣道もそう言われるでござるな」
「その剣道以上にね」
僕が思うにだ。
「そんなところがあるね」
「言われてみればそうでござるな」
「それで芸術的でもあるね」
これも剣道以上にだ。
「合気道と同じで」
「合気道もそうでござるな」
「うん、こちらもね」
この武道にしてもだ。
「相手がいてもね」
「それよりもでござるな」
「自分の悪い心と向かい合って」
「それを投げるでござるな」
「そんな感じがするね」
僕にしてみればだ。
「どうにも」
「己の心を正すでござるな」
「そしてより高める、剣道だと」
剣道こそ己の心を正し高めるものと言われているけれどだ。
「中にはとんでもない人がいるし」
「いるでござるな」
「教える先生も」
しかもこれが学校の教師だったりする。
「武道の心得がないね」
「ならず者でござるな」
「そんな奴もいるから」
剣道家というのもおこがましい輩がだ。
「どうもね」
「剣道はでござるな」
「他の武道も」
居合や合気道と比べるとだ。
「どうもね」
「そこは、でござるな」
「不心得者が多い気がするね」
「武道は暴力ではないでござるが」
「そこ間違えてるんだよ」
あと生徒、立場は下の人には何をしてもいいと思っている奴がだ。
「勘違いしてね」
「生徒に暴力を振るったりするでござるな」
「それも滅茶苦茶なね」
教育ではなく虐待そのもののだ。
「中学生相手に突きをしたり」
「中学生に突きが駄目なのは」
「柔道の絞め技と同じでね」
「まだ体格が出来ていないから危険でござる」
「それがわかってないで」
しかもシャベル突きなんていう下から上に思い切り突き上げる試合でやったら即刻反則なってもおかしくないリンチ技まで出す奴がいる。
「使うなんてね」
「論外でござるな」
「ましてや稽古の中で」
そう言ってもだ。
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