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八条学園騒動記

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第五百十八話 齧歯類の話からその十一

「だから政権交代も」
「つまり革命も」
「それもね」
「戦争によってだね」
「今は変なことをしたら」
 時の政権がだ。
「一発で支持なくなってね」
「選挙で負けるね」
「けれどね」
「昔は本当にそういうのがなくて」
「選挙をしようにも発想すらないし」
 その時点でなかったのだ。
「殆どの人字とか読めないし」
「それじゃあ投票もね」
「難しいし。社会自体がね」
「選挙とか無理な状況で」
「だから戦争だったのよ」
「よくわかったよ、紂王みたいなことをしても」
 暴政の限りを尽くしてもというのだ、物語では妲己に操られてだが史実では自ら行ったとされている。しかしその史実での描写も実はかなり脚色されているものだとこの時代でもよく指摘されている。勝った周側が自分達に都合よく書いたと。
「中々倒れなかったんだね」
「そうよ、まあどんどん人が離れて」
「そうれでだね」
「追い詰め等ていくけれどね」
「その追い詰められるまでも長いね」
「そうよ、聞仲みたいな人もいて」
 殷に絶対の忠誠を持っている者もというのだ。
「それでかなりもってはいるわ」
「紂王がとんでもないことばかりしても」
「それでもね」
「そういう時代だったんだね」
「王朝が交代するって大変なことになるのが」
 それこそというのだ。
「中国の常だしね」
「大体政権がまともじゃなくなって」
「それで国内が乱れてね」
「戦争とか起こってね」
「交代よ」
 そうした経緯を経ていくというのだ。
「何処も革命はそうだけれど」
「戦争があって沢山の人が死んで」
「それでようやくなのよ」
「そういうことだね」
「本当に今になってよ」
 パレアナはしみじみとした口調になって述べた。
「選挙ですぐに交代出来る様になったのは」
「駄目な政権がすぐに倒れる様になったのは」
「それまではね」
「僕達が今話している通りだね」
「そうよ、中国以外でもね」
「そういえば日本でも革命あったね」 
 ジミーは自分達が今いる国の話もした。
「そうだったね」
「明治維新よね」
「あの時だってね」
「結構な人死んでるでしょ」
「明治政府になるまでに」
「幕末でね」
 それはペリーの黒船の来航にはじまるとされている、維新から青年戦争までは様々な出来事があった。
「結構ね」
「三万の人が死んでるね」
「維新の後もね」
「西南戦争だね」
 ジミーもその戦争の名前を出した。
「あの戦争まで」
「結構な人が死んでるから」
「三万で少ないんだよね」
「革命にしてはね」
 その際に起こる戦争では、というのだ。
「少なくても」
「三万もだね」
「ちょっとした町位死んでるのよ」
「それで少ないっていうのは」
「やっぱり多いでしょ、ただね」
「ただ?」
「中国の革命で人口半減したとかは」
「それはないね」
 ジミーもはっきりと言い切った。 
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