八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百三十一話 現在進行形の美しさその五
「何かね」
「似た展開だよな」
「国の在り方が変わるし」
三国志も幕末もだ。
「そこもね」
「同じだな」
「そう、そしてね」
そのうえでだ。
「恰好いい人が沢山出るのも」
「同じだな」
「そうだね、しかし本当に」
僕はまた生首を見て小谷君に話した。
「よく出来た生首だね」
「ああ、籠から出ている手もな」
「リアルで殺されたって感覚あるね」
「この後こいつ首持って行かれたんだよな」
「引きずっていかれて」
暗殺を実行した水戸藩の浪士の人達にだ。
「何とか身体に戻ったんだよね」
「そうだったな」
「うん、まあ一日の間に戻ったけれど」
その一日の間に幕府は大騒ぎで上に下にだったとのことだ。
「これで幕府の権威はさらに落ちたんだよね」
「大老が江戸の中で暗殺だからな」
「それも桜田門の前でね」
江戸城の表玄関でだ。
「堂々とだったからね」
「そりゃ幕府の権威も落ちるな」
「それでどんどん話が大きくなって進んで」
「幕府は倒れたな」
「そうなったんだよね」
「そう思うとな」
小谷君はさらに言った。
「歴史の転換点だよな」
「桜田門外の変もね」
「俺の嫌いな奴が殺されたいい事件だけじゃなくてな」
「ここからさらにね」
「幕府は権勢が落ちてな」
「志士達の動きが余計に活発化して」
そうなっていってだ。
「討幕の動きが加速していくんだよね」
「そうだよな」
「そうした事件だったけれど幕府はね」
「そこからも色々あったからな」
桜田門外の変が一八六〇年で大政奉還が一八六七年だ、僅か七年だけれどその七年の間に相当なことが色々とあった。
「凄かったな」
「そう、そしてね」
「やっと幕府が倒れるんだよね」
「その中の一旦だな」
小谷君はまさにと言った。
「この変は」
「うん、それをお化け屋敷にしたのは」
「凄いセンスだな」
「これは他にもね」
「色々なものがありそうだな」
「そうだね」
桜田門外の生首だけでなくとだ、僕達は話してだった。
そうして二人で他の場所にも行くことにした、するとお化け屋敷らしく妖怪も出ていたけれど幕末らしくだ。
都の中にいるものが多かった。西郷さん達の出身地である鹿児島の妖怪も多かった。そして会津女子隊の服を着た雪女もいた。
先進真っ白で吹雪に包まれたその雪女を見て小谷君は今度はこんなことを言った。
「福島も雪女出たな」
「東北全体に出るね」
僕はこう小谷君に答えた。
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