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夢幻水滸伝

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第九十五話 南洋の星達その十一

「おかしな動きはしない」
「そうね、あの子達はいい加減ではないわ」
 シェリルもこう述べた。
「あの四人とは違うわ」
「あの四人は何というかな」
「善人ではあるわ」
「いじめや意地悪は絶対にしない」
「人の道はわかっているわ」
「そうだ、しかしだ」
「日本の他の星の子達と違うわ」
 そしてその違う部分はというと。
「かなりいい加減だから」
「怠け者でな」
「そうしたところがね」
 どうにもとだ、シェリルも述べた。
「本当にね」
「困ったところだ、だが」
「南洋の子達はね」
「あそこまでいい加減ではない」
 このことがわかっているからだというのだ。
「安心していい」
「例えあの四人が案内役でも」
「そうだ、流されることはない」
 四人のいい加減なペースにというのだ。
「そうした事態にもな」
「それに考えてみると」
 ティンが言うことはというと。
「九人全員いる、余計に」
「そや、安心してええ」
 スーンが述べた。
「人の星の連中にはな」
「そうなりますね」
「別にな。ほな僕等はな」
 是非にとだ、スーンはティンにあらためて述べた。
「ここで大仏を観ていくか、そしてお昼ご飯はな」
 それはというと。
「全員で食べるで」
「今日のお昼は素麺出るそうやな」
 ロシティーはメニューに言及した。
「豆腐も出てな」
「夏の感じしますけど」
 素麺と豆腐と聞いてだ、チュットはどうかという顔で述べた。
「お素麺とお豆腐やと」
「いや、どっちもぬくいのは」
「お豆腐は湯豆腐で」
「お素麺はにゅう麺や」
「温かいのですか」
「そや、そやからな」
 それ故にというのだ。
「安心してええ、ただ自分というかゴーストってな」
「あっ、食べられることが」
「スケルトンもそやけどな」
「飲んで食べて出来ることが」
「それが最初不思議やった」
「実体なくても魂が食べるんで」
 それでとだ、チュットはその幽霊の身体で答えた。
「いけます」
「そうやな、スケルトンもな」
 ロシティーはこの種族について述べた。
「実は身体があってな」
「透けてるだけで」
「ちゃんと肉体はある」
「内臓も含めて」
「そやからやな」
「はい、スケルトンも食べられます」
 チュットはロシティーに確かな顔で答えた。
「そして飲めます」
「そやったな」
「そうですさかい」
「にゅう麺も湯豆腐な」
「今から楽しみです」
「そうか、あとな」
 ロシティーはさらに述べた。 
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