ゼロの使い魔×ポケットモンスター ネタ
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『ルイズが召喚したのが、ゴースだったら?』
前書き
今回は、ゴース(→ゴースト→ゲンガー)。
今までと違って、不気味で、誰も幸せになれない話かもしれません。
注意!!
何度目かの爆発の後、煙が風に乗ってルイズの方に流れた。
ルイズは、へたり込む、もう限界だった。
コルベールが見かねて、明日にしようと言おうとしたときだった。
揺れていた煙が、紫色に変色し、目と口が現れた。
ルイズがそれを見て驚いていると、ガスのような体のそれがルイズを包み込む。肺に入り込んできて、ルイズは激しく咳き込んだ。
コルベールが杖を構えるが、炎を放とうとして躊躇した。なぜならルイズを包み込むようにガスの生き物がまとわりついているからだ。
ルイズの体力がゴリゴリ削られながら、切れ切れにルイズは、呪文を唱える。
そして、呪文唱え終え、酸欠で息が切れてついに倒れるとき、当然だがルイズを包み込むガスの体に唇が触れる。その瞬間、金切り声のような鳴き声を上げ、ガスの生き物がルイズから離れて宙でもがいた。
黒紫色の球体に紫のガスをまとったような姿。球体には、鋭い目と、牙の生えた口がある。球体部分が顔であり胴体なのか、そこにルーンが刻まれていた。
ルイズは、気絶しておりそれを確認することはできなかった。
確認が取れたのは、保健室で目を覚ましてからだった。
起き上がるとコルベールがいて、背筋がゾワゾワとなる感触があったので振り返ると、あのガスのような生き物がニヤッと笑った。幽霊にでも出会ったかのようにルイズは悲鳴を上げて逃げたがコルベールが、それは君の使い魔だと言ったので一旦止まった。
宙をフワフワ浮いているソレは、ルイズの反応にニヤニヤ笑っているようだった。
幻獣の一種か?っと、コルベールは呟いていた。
ルイズが移動すると、後ろをついてくるが、不意にすぐ背後にくっついて背筋をゾワゾワさせてくるので、うっとうしくムチを振ってもまったく手応えがない。なにせガス状なのだ。
ルイズがイライラしていると、ゴースだ!っという悲鳴が聞こえた。
見ると洗濯籠を落としたメイドが逃げようとしてたので、捕まえて知っているのかと聞いた。
このガスの生き物の名前は、ゴース。
シエスタというメイドの曾祖父の話によると、悪霊の一種だとされており、獲物を包み込んで息の根を止めるそうだ……。
つまり召喚の儀式の場で、危うく殺されかけたということだ。それを理解したルイズは、戦慄した。
二段階も成長する特性があり、どれもこれも相手の息の根を止めるタイプばかりらしい。そのため、ゴース、ゴースト、ゲンガーがたまに現れるとされるシエスタの故郷の近隣では、夜には決して外へ出ないという決まりがあるという。うっかり夜中に近隣の森へ行って、帰ってこなかった者が最近いるそうだ。
そんな怖い話を聞いて、ルイズは、恐る恐るゴースの方を振り向く。ゴースは、ルイズの反応を見てニヤニヤしているだけだった。
ゴースを召喚してからというもの、川の向こうにいる死んだ祖父母がこっちに来るな!と手を振っている悪夢を何度も見た。
ああ…、いつか使い魔にとり殺されるなんだっと…、遺書のような日記を書くほどルイズは、鬱になった。
ある日、宝物庫付近でオールド・オスマンの秘書であったロングビルが、遺体となって見つかった。遺体には胸と首を掻き毟ったような形跡があり、呼吸器系をやられた可能性が高いとみられ、シエスタからゴースの説明を聞いていたコルベールが、ゴースの犯行じゃないかと意見した。
結果、ゴースはルイズから引き離されたものの、ガス状の体故に隙間さえあればいかなる結界をもすり抜け、学院をさまようようになった。
やがてゴースは、ゴーストへと姿を変えた。
アルビオンへの密命を受けたルイズは、婚約者のワルドと共にアルビオンへ向かったが、その道中の港町で、ワルドが変死した。
起きてこないで様子を見に行ったルイズが見たのは、全身を震え上がらせながら、寒い…寒い…っと布団を被って真っ青な顔で転げ回るワルドと、そんなワルドを見おろして、ニヤニヤ笑っている、ゴーストだった。ルイズは、悲鳴を上げ、ゴーストに爆発魔法を使って追い払い、医者を呼んだものの意味を成さず、ガタガタと震えながらワルドはやがて死んでいった。
ルイズは、たった一人で果敢にもアルビオンへと向かい、奇跡的にウェールズと接触でき、手紙を受け取った。
まるで何かに守られているように、何事も無くルイズは、帰路についた。
学院までの道中、馬を止め、ルイズは、聞いた。
そこに…、いるの?っと。
するとルイズと馬の影から、ゴーストからゲンガーへと姿を変えた悪霊の使い魔が現れ、歯を見せてニヤ~っと笑って見せたのだった。
その後…、アルビオンを制圧したレコン・キスタ軍だったが、トップのクロムウェルを始め、幹部達が次々に怪死したため、統率が取れなくなり、自己崩壊したという噂を、実家に引きこもったルイズは、偶然耳にしたのだった……。
ルイズの影から、ひょっこりとたまに顔を出すゲンガーは、ルイズの視線が合うと、変わらずニヤッと笑うのであった。
後書き
ゴースト系は、怖い説明文のが多いですからね……。
なので、その性質上、主人を助けようと動いてても、不幸にしてしまうし、不幸にした理由も理解できないということにしました。
ゴース(ゴースト、ゲンガー)は、よかれと思って動いていました。
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