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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十話 たけなわになってその六

「あれだけ裏切り裏切られて」
「殺し合ってるからね」
「ヤクザ映画と言われても」
「納得出来るよね」
「近いでござるな」
「武士の世界だけれど」
 それでもだ。
「何処かね」
「ヤクザ映画の様なでござるな」
「殺伐としたものもあるのがね」
「新選組でござるな」
「最初からだから」 
 壬生浪士組になる前からだ。
「清河八郎さんからね」
「あの人からでござるな」
「もうね」
 まさにだ。
「裏切り裏切られだったじゃない」
「言われてみれば」
「最初は芹沢鴨と近藤勇が手を組んで」
 そのうえでだ。
「清河八郎さんを殺そうとしたよね」
「最初からだったでござるな」
「そんなので」
「芹沢鴨さんもでござるな」
「暗殺だしね」
 酔わせたうえでだから実に用意周到だ、しかもこの暗殺の仕方を他にもしているからそうした意味でも本物だ。
「伊藤甲子太郎さんにしても」
「参謀でござるな」
「後で独立したけれど」 
 この時結構な数の人がついてきている。
「実際は近藤さんとも独立しても付き合いがあって」
「別動隊でござったか」
「そんな感じだったけれど」
 実際はそうだったとのことだ。
「その伊藤さんもね」
「酔わせてでござるな」
「闇討ちしているから」
 芹沢鴨は酔ったところでこの人は夜の帰り道でだ。
「もうね」
「武士というよりかは」
「ヤクザ屋さんだね」
「それでは志士の人達にもでござるな」
「池田屋騒動も夜の急襲だったし」
「本当にヤクザ屋さんでござるな」
「そんな感じだったよ」
 その行いを見てみるとだ。
「出来れば傍にいて欲しくないね」
「そんな人達でござったか」
「組織としてはね」
「だからでござるか」
 マルヤムさんは僕の話をここまで聞いてこう述べた。
「近藤さんも終わりはよくなかったでござるか」
「そうかもね、ヤクザなことをしていたら」
「ヤクザな死に方をするでござるな」
「あれは坂本龍馬暗殺の下手人と思われて」
 当時は本当にそう思われていたらしい。
「捕まってその時土佐藩の人が言ったんだ」
「坂本龍馬さんを殺したから」
「その新選組の局長だったから」
 それでだったという。
「切腹じゃなくてね」
「打ち首になったでござるか」
「そうだったんだよ」
 武士としては屈辱的な処刑方法だった、ましてや新選組局長ともあろう人がだ。
「あれは土佐藩の人が怒ってだったけれど」
「龍馬さんの敵討ちでござったか」
「それでね」
「打ち首でござるか」
「そうなったけれど、そうした死に方もね」
 武士らしくないそれもだ、
「やっぱりヤクザな生き方をしていたら」
「そうなったでござるか」
「因果応報の一面あったかもね」
「闇討ち、騙し討ちが常だったので」
「坂本龍馬さんの死に方も」
 暗殺されたけれどだ、軍鶏鍋を食べようとした時に。 
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