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八条学園騒動記

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第五百十五話 洪童の結論その四

「白痴同様の誰にも何もも役に立たない」
「そうした奴になるのね」
「お前もそう思うな」
「そうね、私もね」
 ナンシーにしてもだった、ここで自分のひいひい祖父さんが話したその愚か者のことを思うのだった。
「ああはなるまいってね」
「思うな」
「正しい読み方ね」
「斜めに読むというかな」
「もう歪んだね」
「ねじ曲がった読み方ね」
「自分が何か知ってな」
 そしてというのだ。
「その知識から偉そうにするとかな」
「そんなことはね」
「間違っている」
 つまり正しい読み方ではないというのだ。
「絶対にな」
「そうよね」
「人間の善悪等を学びな」
「そうしてね」
「己を高める為だな」
「もう何も取り払っての正論を言うとね」
 そうなるとだ、ナンシーも答えた。
「それが読書の意義よね」
「人間を知ってな」
「ただ人が知らないことを知ってね」
「偉そうにするだけだとな」
「本当に何にもならないわね」
「読まない方がいい」
 そもそもというのだ。
「知識は偉そうになる為の道具じゃない」
「自分を高める為のものね」
「そういうものだ、人格をな」
「教養が高まるっていうけれど」
「それも自分を磨くことだ」
 それになるとだ、洪童は読みつつ言った。今は説明を読んでいる。
「よりな」
「自分を磨かないとね」
「さもないとな」
「何にもならないわね」
「結局何でもな」
 読書に限らずというのだ。
「自分を磨く為にあるな」
「世の中のものは」
「遊びにしろな」
「そうそう、遊びもね」
「世の中を知る為にな」
「結構必要なのよね」
「全く遊ばないとな」
 それはそれでというのだ。
「下らない人間になるっていうしな」
「私もそう言われたことがあるわ」
「色々な場所に行ったり経験を積んでな」
 遊び、それを通じてだ。
「それでな」
「わかってくるから」
「だからだ」 
 それでというのだ。
「遊びもな」
「必要よね」
「あくまでいい遊びだがな」
「これが悪い遊びだとね」
「麻薬とかな」
 これも遊びとしてだ、洪童は話した。
「やったら駄目だがな」
「麻薬なんてやったら」
 それこそとだ、ナンシーも話した。
「死ぬからね」
「身体も心もボロボロになってな」
「そうなるから」
 それでというのだ。 
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