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八条学園騒動記

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第五百十五話 洪童の結論その二

「法律はあってだ」
「そしてなのね」
「警察もあってでないとな」
「とんでもないことになるわね」
「それがそんな連中の理想社会だ」
「それでそうした馬鹿はそんな社会で暮らせるかしら」
「モヒカンにでもなるつもりか」 
 その悪人共にというのだ。
「そう考えているならもうな」
「本当に腐った馬鹿ね」
「自分がやりたい放題したいだけならな、もっともナンシーから聞くと他人の痛みがな」
「一切わからないしね」
「わかろうともしないからだな」
「そうした意味でもひいひいお祖父ちゃんこれまで会った中で一番の馬鹿だって言っていたから」
 それでというのだ。
「本当にね」
「弱い人達が困っていても」
「権力がないからな」
「いいっていうのね」
「暴力が吹き荒れてもな」
「自分に何もなかったら」
「いいんだろう」
 他の人達が制御なき暴力、無政府状態になると出てくるそれに襲われていてもだ。
「それでな」
「そう思うとどうしようもない馬鹿ね」
「つくづくそう思うな」
「生きていても仕方のないレベルでね」
「他人の痛みや悲しみにそこまで無神経だとな」
「本当の親御さんもね」
「泣く」
 我が子のあまりもの愚劣さにというのだ。
「俺でもそうなる」
「更正も不可能でしょうしね」
「馬鹿過ぎてな」
「それじゃあね」
「本当にな」
「生きていても仕方ない」
「そこまでの馬鹿だ、もっともそんな馬鹿はな」
 流石にとだ、洪童は苦い顔で述べた。
「そうそういないと思うがな」
「世の中馬鹿もいるけれど」
「そこまではな、そしてな」
「あんたが言った馬鹿もね」
「そうそういない、親戚の中でもだ」
「その人だけなのね」
「そうだ、それなりに馬鹿のいる一族だが」
 それでもというのだ。
「流石にな」
「天才も滅多に出ないけれど」
「そこまでの馬鹿もな」
 それこそ生きていても仕方がないまでのというのだ。
「滅多に出ないな」
「流石にね」
「上も下もな」
 人間のレベルでかなりの者はというのだ。
「そうそういないな」
「そうよね」
「一番多いのは真ん中か」
「そりゃそうでしょ、私だってそんな馬鹿が知り合いだったら」 
 アナーキストの方を念頭に置いてだ、ナンシーは話した。
「見捨てるから」
「どうしようもないからだな」
「どう考えてもね」
「俺もだ、俺が話した馬鹿もな」
「親戚からも見放されて奥さんからもで」
「宗教団体からもだからな」
「本当にどうにもならない人だと」
 それこそというのだ。 
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