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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百二十九話 スズキが恋をしてもその十二

「どれだけ辛いか」
「ご家族やお友達が」
「自殺なんかしてって思うわよね」
「そうですよね」
「残った人達はね」
「そう人に思わせることはね」
「そのこと自体がですよね」
「よくないことで」
 それでというのだ。
「もうね」
「絶対にですね」
「しないことよ」
 こう僕に話してくれた。
「やっぱりね」
「そうですよね」
「本当に残った人達がどれだけ嫌な思いするか」
 その人が自殺したことでだ。
「考えるとね」
「自殺はしたら駄目ですね」
「したら地獄に落ちるとも言うわね」
「キリスト教ではそうですね」
「ええ、宗教でもね」
「禁止している宗教もありますね」
「まああっちでも自殺する人いるけれど」
 残念ながらリトアニアが自殺率が多いらしい。
「それでもね」
「自殺はですね」
「したら駄目よ、する位なら」
「逃げることですね」
「人は必ず死ぬけれど」 
 このことは絶対だ、仙人か錬金術でもないと無理だろう。サン=ジェルマン伯爵にでもならないと。
「それでもね」
「死に方が問題ですよね」
「人が悲しむ死に方は」
「それだけで、ですよね」
「よくないから」
「だからですね」
「そう、自殺する位なら」
「逃げることですよね」
 この選択肢を選ぶべきだ、僕も思った。
「本当に」
「ええ、一時でも逃げて」
「そうしてですよね」
「難を逃れて」
「また出て来ればいいですね」
「逃げるのにもね」
 よくないと言われやすいこの行動もというのだ。
「勇気いるでしょ」
「選ぶそれですね」
「だからね」
「恥でもないですね」
「自殺するよりはね」
「ましですね」
「自分だけじゃどうしようもなくて手がないなら」
 もうそれこそというのだ。
「その時はね」
「逃げることですね」
「自殺するより遥かにましでしょ」
「ですね、確かに」
「恥でもないし」
「変な人が言っても」
「じゃああんたは逃げないのってなるわよ」
 逃げるなと言う人はだ。
「いじめとか家庭内暴力とか過労とかね」
「そうしたことからですね」
「そう、もうどうにもならないことは」
 どうしようもない事態に対してだ。
「逃げて難を逃れることよ」
「それが一番ですね」
「家で暴力振るう馬鹿旦那とずっといて」
 日菜子さんはこう例えた。
「それで自分が自殺するかね」
「暴力で殺されるか」
「そこで逃げるなって言う奴はね」
「何もわかってないですね」
「それか何でも逃げたら駄目とか言う」
 その様なというのだ。 
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