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夢幻水滸伝

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第九十四話 会議のはじまりその二

「備えてるわ、特にな」
「リーか」
「あいつは四智星でも随一の学識の持ち主や」
「そうしたことも学識でか」
「頭に入ってるわ、勘は僕の方が上やが」
 それでもというのだ。
「もうな」
「備えてるな」
「そや、だからな」
 それでというのだ。
「こっちは神具も使うし僕自身も出てな」
「情報集めるか」
「そうするわ、相手が警戒してもな」
「警戒していて止めるか」
「国益が関わってるならな」
 それならばとだ、芥川は中里に話した。
「リスクと利益を天秤にかけて」
「そうして考えてやな」
「決めるもんやけどな」
「この場合はやな」
「利益が勝つ」
 そうなるからだというのだ。
「そやからや」
「情報集めるな」
「ありとあらゆる手段でな、そもそも宿や」
 この場所のことも話すのだった。
「宿には働いてる人がおるな」
「絶対にな」
「それでや、どの部屋で話をしてもな」
「どうしてもやな」
「話が聞ける、特にな」
 芥川は中里に目を鋭くさせてそのうえでさらに話した。
「酒が入るとな」
「人間余計にやな」
「饒舌になって理性もな」
「鈍るな」
「流石にリー位の奴はかからんがな」 
 このことは間違いないがというのだ。
「他の星の奴位やったらな」
「話を聞くか」
「酒、ご馳走に風呂に名所巡りでな」
「何日も何日も楽しんでもらうな」
「会議は進ませるけどな」
「踊ることもやな」
「それも忘れん」
 会議は踊る、されど進まず。芥川はかつてナポレオン後の欧州をどうするかを話し合ったウィーン会議が評された言葉を出した。
「絶対にな」
「そや、進ませつつ踊る」
「日本に有利な様にやな」
「一戦で終わらせる戦にする為にな」
「やってくな」
「そや、どうせ他の勢力も同じモン建造してる」
 このことはもうわかっているからだというのだ。
「それでや」
「こっちとしてはやな」
「相手も同じや、同じ連中同士でな」
「戦っていくなら」
「相手も乗る、そもそもこの太平洋はそのまま手に入れたいやろ」
 芥川は太宰を見据えて問うた。
「統一するなら」
「そら全土焦土にしたらな」
「何にもならんな」
「それこそ何の意味もない、愚の骨頂や」
 中里もはっきりと言い切った。
「それでや」
「この度はやな」
「そや、絶対にや」
 まさにというのだ。
「どの勢力も一戦で終わらせたい」
「太平洋をそのまま手に入れたい」
「そう考えてるからな」
 それならばというのだ。
「ええな」
「ああ、それぞれの勢力とな」
「話して情報もな」
「仕入れていくな」
「そうしていくわ、忍としてな」
「その辺りの仕事頼むな」 
 中里は日本の忍の棟梁である芥川にこう返した。 
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