八条学園騒動記
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第五百十四話 真理の実行その六
「猫の方がましだ」
「まさに猫の手ね」
「猫は癒してくれる、しかしそこまでの馬鹿はな」
「癒されるどころか」
「そんな言葉を聞くとな」
「その時点でよね」
「殺意さえ抱くかも知れない」
それ程の怒りを感じる可能性があるというのだ。
「本当にな」
「その耳で聞いたらね」
「だからだ」
「もう面接の時点で」
「落とす、本当にそんな店員を雇う店はな」
「人を見る目がなくて」
「潰れる」
そうなるというのだ。
「まともな人間がいない店は潰れる」
「そうそう、サービスが悪かったりお客さん睨んだりね」
「そんなのだとだ」
間違いなくというのだ。
「潰れる」
「そんな店員さんがいるとね」
「というかお客さんを睨むとかな」
「不愛想でね」
「そのお客さんは二度と来ないな」
「そうなるわよね」
「サービスが悪くてもな」
それでもというのだ。
「やはりな」
「お店潰れるわよね」
「店員も大事だ」
「いい店員さんでないとね」
「マナーの悪い店員はそれだけで引く」
客がそうなるのだ、肝心の彼等が。
「そうして来なくなってな」
「お店が潰れるわね」
「冗談抜きにな、しかしその馬鹿な店員はな」
「そうした店員さんの中でもね」
「接客はどうかわからないが」
それでもというのだ。
「そこまで馬鹿な店員は仕事もな」
「出来るとはね」
「俺は思えない」
「私もよ、法律も他人の痛みもわからないってね」
そうした人間はというのだ。
「冗談抜きでやっていいことと悪いこともわかってないでしょうし」
「そう思うとな」
「お仕事もね」
「とんでもない不祥事をしでかしてもな」
「おかしくないわね」
「そう思うな」
「私もね。というかシェークスピアでも書かない様な」
様々な人間を書いてきた彼でもというのだ、ナンシーはバーナムの森が動いた場面を読みつつ話した。マクベスでも重要な場面の一つだ。実際には森は動いていないがマクベスはこのことを聞いて愕然となるのだ。己の死が近付いていることを察して。
「馬鹿よね」
「本当にそうだな」
「世の中馬鹿もいて」
そしてというのだ。
「その馬鹿のレベルもね」
「凄いのがいるな」
「上には上がいるっていうけれど」
それだけでないのが世の中だ。
「下には下がいるわね」
「そうだな」
「それでその下の極みがね」
「そいつだな」
「そうよね、それも正真正銘のね」
文字通りにというのだ。
「悪質な馬鹿ね」
「法律も他人の痛みもわからないとな」
「生きてる価値もね」
それすらとだ、ナンシーはこれまで話していることをそのまま述べた。
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