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八条学園騒動記

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第五百十四話 真理の実行その四

「泣くな」
「そうよね」
「そんなどうにもならない馬鹿がな」
「自分の子供だとね」
「そうなったらな」
「そこまでの馬鹿よね」
「本当にどうにもならない、ただその馬鹿はな」
 洪童は全否定する顔でこうも言った。
「最後はどうなったか気になるな」
「ひいひいお祖父ちゃんそれは言ってないけれどね」
「そこまでは知らないか」
「そうみたいよ、まあお店が潰れたことはね」
 このことはというのだ。
「お話してくれたけれど」
「それでもか」
「そこまでは見てなかったんじゃないかしら」
「それでご存知ないか」
「ええ、ただ私あんたと今話してね」
 それでともだ、洪童に話した。
「その馬鹿の結末予想したわ」
「いいものじゃないな」
「平気である人に洒落にならないこと言って」
 そうしてというのだ。
「逆鱗に触れてね」
「そうしてだな」
「その結果ね」
「殺されるなりしたか」
「少なくとも激怒させて見捨てられるかして」
「クビになったりしてか」
「何度もそうしたことを繰り返して居場所なくなって」
 愚行それも同じ内容をというのだ。
「その結果ね」
「破滅だな」
「そうなったんじゃないかしら」
 こう言うのだった。
「どっちにしてもいい結末はね」
「ないな」
「悪い意味でそこまで馬鹿だと」
「悪い選択しかしない」
「どう考えてもね」
「そもそも法律もわかっていないな」
「そう、テロ自体がね」
 このことは普通の人間ならばこの時代でも常識のことだ。
「無法行為でね」
「権力に反対していてもな」
「許されないから」
「しかもそれで人が大勢死んでるというのにな」
「他人の痛みに鈍感ってことね」
「もっと言えば自分しかないか」
「そういう奴に限って」
 それこそとだ、ナンシーも述べた。
「自分がテロに遭って生きてたらね」
「何を言うかわからないな」
「怒り狂ってね」
「その時は見ものだろうが」
 それでもとだ、洪童は述べた。
「そこで死んでもな」
「別に困らないわね」
「世の中の誰もな」
 それこそというのだ。
「困らない」
「そこまでの馬鹿が一人死んでもね」
「逆にそいつの無神経で馬鹿な言葉で傷付く人がいないだけな」
「助かるわね」
「そうだな、しかしな」
 洪童はあらためて述べた。
「そんな馬鹿はシェークスピアもな」
「読んでないでしょうね」
「絶対にな」 
 それこそというのだ。
「さもないとな」
「そこまで馬鹿にならないわね」
「読んでいてもな」
 例えそうであってもというのだ。 
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