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夢幻水滸伝

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第九十三話 奈良会議その六

「カナダとかモンゴルとか台湾もかいな」
「はい、そうです」
 夏目が答えた。
「来るそうでおじゃる」
「呼んでないけどな」
「そうでおじゃるが今回のことを聞いて」
「そうしてかいな」
「参加を申し出てでおじゃる」
 そのうえでというのだ。
「棟梁も受け入れられたでおじゃる」
「そやで」 
 その綾乃も言ってきた。
「うちがええでって決めたんや」
「そやったんか」
「そやからその子達の分もな」
「あるねんな」
「そうやねん」
 そうなったというのだ。
「これがな」
「ほな余計にか」
「賑やかになるで、ただ多分やけど」
「カナダとかモモンゴルは戦には参加せんな」
「そうなると思うで。韓国とかも来てるけど」
「韓国っていうたら」
 この国の名前を聞いてだ、中里はこう言った。
「一人星の奴がおったな」
「李君やね」
「地の星やったな」
「呼びました?」
 中里と綾乃が話していると赤やら青、黄色に緑に黒にとやたら派手な韓服を着たにこにこしているホブゴブリンが出て来た。
「この地佑星李楽生を」
「ああ、自分が韓国の星のモンか」
「はい、あれやこれやで」
 おどけた仕草でだ、李は中里に答えた。
「韓国の棟梁になりましたけど」
「太平洋の覇権はか」
「そんなん絶対に無理ですから」
 韓国一国ではというのだ。
「今回は会議には参加しますけど」
「それでもか」
「戦には参加せんで」
 それでとだ、李は中里に明るく話した。
「覇権が決まったら」
「そこでか」
「太平洋の中に入らせてもらいます」
「そうするんかいな」
「大事なんは民がどうかですさかい」
 このことはだった、李は顔は笑っているが目は真面目に話した。
「民が太平洋の中で幸せに過ごすことが」
「大事やからか」
「そうですさかい」
「戦には参加せんでか」
「はい、太平洋の戦が終われば」
 その時にとだ、李はまたこう話した。
「太平洋に入ります」
「そうするか」
「その様にします」
「わかったわ、ほなな」
「会議に参加して奈良も観光させてもらいます」
 この街もというのだ。
「美味しいもんも食べて」
「そうしてか」
「楽しみます、ただ」
「ただ。何や」
「はい、僕の職業は何かわかります?」
「その派手な服見たら芸人さんか?」
「ピエロになってますけど」
 それでもと言った李だった。
「こっちでは芸人って言ってええですね」
「そうか、芸人さんか」
「神具は武器で」 
 槍を中に入れた砲の様なものを出してきた。
「奪命流星、それでこれと」
「書やな」
「春香伝です」
 この書だというのだ。 
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