オズのファイター大尉
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第十一幕その九
「昇ると時間がかかるけれど」
「降りると」
「そう、雨とかね」
「あっという間にだね」
「地上に降るから」
オズの国はいつも晴れていますが皆が必要と思えばその時にその場所に必要なだけ降るのです。それもオズの国の不思議の一つです。
「それでね」
「降りる方が」
「そう、昇るよりもね」
「お空でも速いって言えるのね」
「そうよ、じゃあすぐにね」
「世界樹をだね」
「降りていきましょう」
こうお話してでした、一行は世界樹を降りていきました。実際に一行は昇っている時よりもずっと速く世界樹を降りていきました。
そしてです、ドロシーはその中でティータイムの時に言いました、今日の三時のお茶はミルクティーにケーキ、エクレアにクッキーの三段です。
そのお菓子達を食べつつ言うのでした。
「後は通ってきた道を戻るけれど」
「うん、今みたいにだね」
大尉がドロシーに応えました。
「そうしていくね」
「ええ、けれどね」
「もう寄り道はだね」
「何かあれば別だけれど」
そうでなければというのです。
「特にね」
「そうしたことはしないで」
「それでね」
そのうえでというのです。
「急がないけれどね」
「出来るだけ早くだね」
「戻りましょう」
これがドロシーの提案でした。
「もう今回の旅で行きたいところも行ったしね」
「そうですね、もう」
神宝はドロシーにミルクティーを飲みつつ答えました。
「途中面白い場所は」
「全部行ったし」
「だからですね」
「何かあれば別でも」
「後はですね」
「皆がまた寄りたい場所があるなら」
それならというのです。
「別だけれどね」
「そうでないならですね」
「もうね」
「寄り道をしないで」
「帰りましょう」
「それがいいですね」
「まだワイン造りには時間があるけれど」
それでもというのです。
「戻ってね」
「ヘンリーさんとオムさんに葉とお花を渡して」
「お二人の笑顔を見ましょう」
これがドロシーの提案でした。
「そうしましょう」
「わかりました」
神宝だけでなく五人全員が答えました、そして大尉達もそれならと頷きました。ですがポリクロームだけはです。
どうかというお顔になってそれで言うのでした。
「そういえば私お二人に最近お会いしてないわ」
「そういえばそうね」
「ええ、だからね」
それでとドロシーに言うのでした。
「世界樹にいる間だけって思ってたけれど」
「私達と一緒にいるのは」
「それをね」
「お二人のお家までなの」
「そうしていいかしら」
「ええ、貴女がいいならね」
それならとです、ドロシーはポリクロームに返事をしました。
「それでいいわ」
「ではね」
ポリクロームはドロシーに応えてでした、そのうえで。
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