オズのファイター大尉
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第十一幕その八
「行きは僕達男組が先に行ったね」
「はい、女の子がスカートの中を見られない様に」
「そうしたけれど」
それがというのです。
「帰りはね」
「逆ですね」
神宝は大尉に気付いているお顔で答えました。
「女の子が先ですね」
「そう、先に降りてね」
「それからですね」
「僕達がってなるんだ」
「今回はレディーファーストですね」
「これも気遣いだよ」
女の子に対するというのです。
「紳士はやっぱりね」
「女性を大切にしないと駄目ですね」
「勿論男性もでね」
「こうした場合はですね」
「そう、女性のことを気遣ってね」
そうしてというのです。
「先に進んでいこう」
「それじゃあ」
「降りる時はね」
「女の子達から先に行ってもらって」
「進んでいこうね」
「わかりました」
実際にでした、皆は今度は階段については女の子からとしてです。降りていきました。そうしてでした。
順調に降りていきますがここでトトがこんなことを言いました。
「いつも思うんだけれど」
「どうしたの?」
トトにポリクロームが尋ねます。
「何を思ってるの?」
「うん、世界樹にしても山にしても塔にしても」
「昇ったり降りたりするところは」
「何かね」
どうにもというのです。
「降りる時の方が速いんだよね」
「昇る時よりも」
「それもずっとね」
そうだというのです。
「速いんだよね」
「そうね、降りるとね」
「昇るよりもね」
「どんなところでも速いわ」
ポリクロームもその通りだと答えます。
「トトの言う通りにね」
「この世界樹だけじゃなくてね」
「山でも塔でもね」
「昇る時はかなり時間がかかっても」
「降りる時はすぐね」
「あっという間ね」
「うん、これまで僕も世界樹を行き来してきたよ」
トトもそうしてきているのです。
「ドロシーと一緒にね」
「それで世界樹を昇り降りしていて」
「いつもね」
それこそというのです。
「降りる方がずっと速いんだよね」
「歩く速さも」
「そうなるんだね」
「だって行ったばかりの道を戻るから」
ポリクロームはトトにその訳をお話しました。
「だからね」
「それでだね」
「覚えたての道だから」
「そこを戻るからだね」
「すぐに進めるのよ」
そうだというのです。
「それに階段も昇るよりもね」
「降りる方が速くなるから」
「だからよ」
「降りる方が速くなるんだね」
「そうなるのよ」
「成程ね」
「お空だってそうね」
ポリクロームが普段いる世界もというのです。
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