夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九十二話 太平洋の諸勢力その八
「そうしてな」
「決めたんだな」
「そやで」
幸田に微笑んでこのことも話した。
「太平洋の神星の子が奈良に一同に会して」
「話してだな」
「太平洋の覇権を競う戦をどうしてやるか」
「決めるんだな」
「若し太平洋全土での戦となりますと」
その場合についてだ、太宰は述べた。
「言うまでもないですね」
「とんでもないことになるとよ」
即座にだ、美鈴は太宰に応えた。
「長く激しい戦になってたい」
「そうしてです」
「どの勢力が勝ち残ってもたい」
「太平洋全土が焦土になっていることも」
「あるたい」
「ですから」
このことが危惧されるからだというのだ。
「そうした戦はどの勢力も望むところでない」
「だからたいね」
「そうです、ここは覇を争う諸勢力同士で取り決め」
その戦の仕方をというのだ。
「そうしてです」
「実際に戦をするたいな」
「その為に貴方達には行ってもらいます」
「わかった」
日葵は太宰に毅然とした声で答えた。
「ではな
「これよりですね」
「すぐに行って来る」
それぞれが使者に向かう場所にとだ、日葵は太宰に背筋を伸ばし毅然とした口調で答えた。その姿勢はまさに武士のものだった。
「そしてだ」
「我々の考えを」
「伝えてくる、そしてだな」
「是非です」
「奈良に来るとの了承を得る」
「それをお願いします」
「ではな」
日葵は毅然とした姿勢のまま頷いた、そうしてさらに言った。
「民と国に災厄がもたらされない様にな」
「そうして太平洋を統一しましょう」
「それぞれ一戦で決まればいいが」
こう言ったのは室生だった。
「そうなれば戦はその一戦が幾ら激しくともな」
「そやね、長引かへんし」
綾乃は室生のその言葉に応えた。
「荒れるのはその場所だけで済むし」
「民も国も迷惑しない」
「ええことやね」
「そうしたことを話しましょう、それに戦が長引くと太平洋が疲弊するだけではないです」
太宰はさらに話した。
「これは極端に長引いた場合ですが」
「ロシアとインドたい」
美鈴がこの勢力の名前を出した。
「あそこが介入してくるとよ」
「そうです、今あの勢力はシベリアや中央アジアの内政に全力を注いでいますが」
「それが整ったらたいな」
「こちらに来ることがです」
「考えられるたいな」
「今中央アジアにはかなり大きな謎の勢力もあります」
太宰はこの話もした。
「彼等はその勢力とも争うでしょうが」
「その戦も終わったらたいな」
「その時はです」
内政も済んでというのだ、シベリア等へのそれが。
「太平洋に来る恐れがあります」
「だからたいな」
「長くかけることは出来ません」
太平洋の覇権を賭けた戦にはというのだ。
ページ上へ戻る