オズのファイター大尉
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第十幕その三
「マンチキンもギリキンもね」
「その二国からもですか」
「大尉は勲章を貰っているんだ」
「功績を挙げてですか」
「そうだよ、もう幾らになるかな」
大尉がこれまでに授かった勲章、その数はというのです。
「色々な勲章を受け続けているからね」
「そう言われますと私も」
大尉も言ってきました。
「一体幾つの勲章をこれまで頂いたか」
「種類も多いしね」
「わからないです」
「君は各地でオズの国と人々の為に働いているからね」
そうして功績を挙げているのです。
「だからね」
「勲章を授かることも嬉しいですが」
「その功績によって皆が笑顔になることがだね」
「嬉しいです、軍人は何の為にいるのか」
「それはもう簡単だよ」
「人々の笑顔を護る為です」
大尉は樵に確かな声で答えました。
「まさにその為にです」
「存在しているね」
「はい、ですから」
それ故にというのです。
「オズの国の人達が笑顔になってです」
「それを護っていることがだね」
「私の誇りです」
「そうだね、ではね」
「今回もですか」
「世界樹の皆を助けてね」
「笑顔を取り戻したからですね」
大尉は樵に応えました。
「私に勲章を授けてくれますね」
「ウィンキーの黄色い勲章をね」
「では」
「うん、では先に進もうか」
大尉とのお話を終えてです、樵は皆に言いました。
「そうしようか」
「それじゃあね、上の層に行く階段まで向かいましょう」
ドロシーが樵に応えました。
「今からね」
「そうしようね」
「ここまで登って思ったんですが」
神宝がここでこんなことを言いました。
「この世界樹は」
「どうしたのかな」
「街が幾つも重なっている感じですね」
こう大尉に言いました、見れば一行の目の前の離れたところに村が見えます。
「そんな風ですね」
「うん、各層が街位の広さだしね」
「それで、ですから」
「もう街がね」
「何層も重なっている感じですね」
「大体ね」
大尉は神宝だけでなく五人全員にお話しました。
「五十層位あるかな」
「それ位ですか」
「うん、それ位あってね」
そうしてというのです。
「幅もあるからね」
「だからですか」
「新法の言う通りかな」
「街が何層も重なっている感じですね」
「世界樹はね」
「そうですよね」
「中に小さな村が幾つもあるし」
大尉もその村を見ています、そのうえでの言葉です。
「だったらね」
「街が幾つも重なっている」
「そんな場所だよ」
「それがこの世界樹ですね」
「もう住んでいる人はね」
街が何層も重なっている様な場所だからだというのです。
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