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オズのファイター大尉

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第十幕その二

「もっと凄いって思ってたら」
「それがね」
「思ったより酷くなかったね」
「どれだけかって思っていたら」
「いえ、それはです」
 ここで神宝が大尉達に言いました。
「大尉だからですよ」
「私だからだっていうのかい?」
「大尉のサーベルは何でも切れて」
 もう蔦なぞ触っただけで両断されていました。
「切れ味も落ちなくて大尉の腕もあって」
「剣術のだね」
「尚且つ疲れないですから」
 それも全く、です。
「それならです」
「あっという間に終わったっていうんだね」
「大尉の動き凄かったですよ」
「速かったかい?」
「まるで疾風みたいでした」
 そこまで速かったというのです。
「だからですよ」
「あっという間に終わったんだね」
「これを普通の人が普通の鎌とかで切っていったら」
 それこそとです、神宝は大尉にお話しました。
「これの何十倍の時間がかかっていたか」
「草刈り機があっても」
 それでもと言ったのはジョージです。
「何十あって大尉お一人と同じ位かな」
「うん、大尉と違って疲れるしね」
 カルロスはこのことを指摘しました。
「こんなにすぐに終わらないよ」
「本当にあんな生い茂り方だと」
 ナターシャも言います。
「何十人かで何時間もかかったわ」
「大尉さんは一時間もかかりませんでしたけれど」
 恵梨香は大尉に直接お話しました。
「本当に普通の人達なら」
「ううん、私一人で充分だと思ったけれど」
 それでもと述べた大尉でした。
「私は自分が思っている以上に凄いことをしたのかな」
「ええ、若しもよ」
 ドロシーも大尉にお話します。
「大尉か樵さんじゃなかったら」
「この蔦達を一時間もしないうちにこうして刈ってしまうことは」
「出来ることじゃなかったわ」
 一人ではとてもというのです。
「本当に何十人もの人が草刈り機を持って」
「何時間もだね」
「かかっていたわ」
「そんなに大変だったんだね」
「流石に大尉よ」
 こうまで言うドロシーでした。
「お陰で蔦はなくなったから」
「もう皆ここを行き来出来るね」
「そうなる様になったわ」
「それは何よりだね」
「これは大尉の功績だよ」
「うん、この功績は僕も認めるよ」
 大尉の主である樵も言います。
「ウィンキーの国に帰ったら勲章を挙げるよ」
「それは何よりです」
「君はまた一つ勲章が増えたね」
「有り難いことです」
「大尉さんはこれまでも勲章を頂いていますか」
 ここで言ってきたのは神宝でした。
「また一つ増えたってことは」
「うん、大尉は立派な軍人さんだからね」
 それでとです、樵が神宝に答えました。
「僕もこれまで何度も勲章を授けてるよ」
「そうなんですね」
「そしてオズマ姫もだよ」
 オズの国全体の国家元首である彼女もというのです。
「何度もね」
「勲章を授けているんですね」
「そうなんだ、グリンダもそうだし」
 樵はさらに言いました。 
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