オズのファイター大尉
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第九幕その八
「あの鳥を見たのは暫く振りだね」
「あれっ、ペンギンだったら」
カルロスがトトのその言葉に突っ込みを入れました。
「オズの国に多いけれど」
「色々な川や湖にいて」
ジョージも言います。
「海のところにもいて」
「結構普通に歩いていたりもするから」
ナターシャもトトに言いました。
「今回の旅でも見たじゃない」
「オズの国じゃ珍しい鳥でもないわよ」
恵梨香は首を少し傾げさせて言いました。
「暫く振りって言う位前にも会ってないし」
「そうだよね、けれど」
神宝がその鳥を見て首を少し傾げさせました。
「あの鳥は少しペンギンと違うかな」
「あの鳥はオオウミガラスだよ」
かかしが五人にその鳥の名前を言いました。
「皆もオズの国で見ているね」
「もう外の世界にはいない鳥ですね」
「その鳥ですか」
「確かにオズの国で前見ました」
「その時のことは覚えてます」
「世界樹にもいるんですね」
「そうだよ、世界樹には鳥も沢山いてね」
そうしてというのです。
「彼等もいるんだ」
「ほら、見て御覧」
樵が指差した先にはです。
ドードー鳥にモアやリョコウバトといった鳥達もいます、勿論孔雀やインコといった奇麗な鳥達もいます。
そしてです、その鳥達の中にです。
黄色い羽毛で端が青や緑いろで、です。恐竜みたいな顔の鳥がいます。見ればお口は嘴ではなく歯になっています。
その鳥を見てです、五人は言いました。
「あれは」
「始祖鳥かな」
「恐竜の時代にいたっていう」
「はじめの鳥よね」
「あの鳥よね」
「そう、始祖鳥だよ」
樵はその通りだとです、五人に答えました。
「オズの国には始祖鳥もいてね」
「ここにですか」
「この世界樹にいるんですね」
「そして生きてですか」
「私達の前にいるんですね」
「ああして」
「そう、オズの国だからね」
それだけにというのです。
「ああした生きものもいるしね」
「お話も出来るよ」
大尉も言ってきました。
「君達もね」
「恐竜さん達の時みたいに」
「そうだよ」
神宝にもこう答えます。
「君達がそうしたいならね」
「まさか始祖鳥とお話が出来るなんて」
「思わなかったよね」
「はい、世界樹の中でも」
「というか世界樹にだね」
「始祖鳥がいるとは思いませんでした」
「そうだね、けれどね」
ここでこう言った大尉でした。
「オズの国はあらゆる不思議が起こる国だからね」
「始祖鳥にもですね」
「会えてお話が出来るんだよ」
「それじゃあ」
「君達がそうしたいなら」
「あたしのことを言ってるのかい?」
その始祖鳥が飛んできてでした、そのうえで。
一行に声をかけてきました、見れば大きさは鳩位です。
その始祖鳥がまずはドロシーに挨拶をしました。
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