オズのファイター大尉
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第九幕その二
「そうだね」
「だからですね」
「僕達も焦らない」
「何日かかっても」
「それでもですね」
「焦らないことですね」
「急ぐ用事でもないしね」
だからだというのです。
「ヘンリーおじさんとエムおばさんがワインを造りはじめるのはまだ少し先だし」
「このまま頂上まで昇ってね」
ジャックも皆にお話します。
「そうして下まで戻って都まで戻っても」
「時間があるんだね」
「あと何日もあっても」
「それでも」
「まだ時間があるの」
「そうなのね」
「そう、だから焦らないで」
それでというのです。
「楽しんで行こうね」
「まだ七百じゃなくてあと千三百も楽しめる」
これが大尉の言葉でした。
「そう思うとわくわくしてこないかな」
「してきます」
「そう考えますと」
「あと千三百メートルあって」
「その間ずっと楽しめる」
「世界樹の中を行くことを」
「そう、だから楽しんでいこうね」
「それで枝に出た時の景色が最高なんだ」
トトが皆にお話するのはこのことでした。
「もう既にお話されてるけれどね」
「だからだね」
「あと千三百もあるけれど」
「ずっと楽しんでいればいい」
「そうすればいいのね」
「頂上まで」
「あと降りる間も」
その時もというのです。
「中々楽しいしね」
「精一杯楽しんで」
そしてと言うドロシーでした。
「進んでいきましょう」
「わかりました」
五人はドロシーに笑顔で応えてです、そうして彼女についていってそのうえで枝のところに出ました。
するとトトが言った通りにでした。
「うわ、何か」
「ずっと先まで見渡せて」
「お空も青くて」
「オズの国が一望出来る感じで」
「凄いわね」
「これがだよ」
トトも景色を見ながら喜んでいます。
「世界樹から見える景色なんだ」
「凄いね」
「ここに来てよかったってね」
「あらためて思えるね」
「これまでも凄く楽しかったけれど」
「今もまた」
「こんなに楽しいことばかりでね」
こうも言うトトでした。
「いいのかなって思うね」
「いいんだよ、これで」
笑顔で、です。大尉はトトに応えました。
「オズの国ではね」
「あっ、オズの国では何でも楽しむこと」
「法律で定められているからね」
「だからだね」
「そう、徹底的に楽しんでも」
「それでもだね」
「いいんだよ」
こう言うのでした。
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