オズのファイター大尉
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第九幕その一
第九幕 世界樹の葉
一行は世界樹の木を上に上に進んでいきました、そうして二日程進んででした。ドロシーが皆に言いました。
「あと少しでね」
「あと少しで?」
「枝があるところに行くわよ」
こう言うのでした。
「その高さになってきたわ」
「そういえば随分上に昇ったわね」
「そうよね」
ナターシャと恵梨香がドロシーのお話に頷きました。
「この三日でね」
「もうどれ位昇ったかしら」
「大体七百メートル位ね」
ドロシーは二人の女の子に微笑んで答えました。
「今で」
「七百ですか」
「それ位ですか」
「そうよ、物凄く大きな幹の中を何段も何段も進んでいてね」
そうしてというのです。
「大体ね」
「七百位ですか」
「三日で」
「そう、それでね」
これからというのです。
「これから枝のあるところに出るわよ」
「この木はクリスマスツリーに似た形だから」
大尉も五人にお話します。
「ここから三角になっているんだ」
「だからですか」
「ここからはずっと、ですね」
「枝があるんですね」
神宝とジョージ、カルロスはクリスマスツリーの形を思い出しながら大尉の言葉に考えるお顔で応えました。
「つまりは」
「三角で続いていて」
「頂上が尖ってるんですね」
「そうだよ、そうした形だってね」
まさにというのです。
「わかっておいてね」
「はい、大体想像がつきます」
「近付く間にも外観見てましたし」
「中に入ってもどんな感じかは」
「そういうことでね、それとね」
さらにお話する大尉でした。
「これからも色々な人達がいるからね」
「これまで通りですね」
「大きな昆虫さんがいたり」
「ホビットさんやフェアリーさん達もいてですね」
「他にも色々な人達がいるからね」
だからというのです。
「楽しみに昇っていこうね」
「皆いい人達だからね」
かかしも皆にお話します。
「だから安心して上に行こうね」
「わかりました、しかし三日昇って七百メートルなんて」
神宝は驚きを隠せないお顔でした。
「凄いですね」
「さっきドロシーが言ったね」
「幹の直径も凄い広さだからですね」
「そう、ただ昇るだけじゃなかったから」
「広い中も歩いてきたので」
「それでだよ」
「三日かかったんですね」
神宝も納得しました。
「そう思うと凄い場所ですね」
「まさにね」
文字通りにというのです。
「世界樹だよ、ここは」
「オズの国で一際大きな木だから」
ここで樵も言います。
「もうそれだけにね」
「上に昇るにもですね」
「かなり時間がかかるから」
「このことはですね」
「焦らないって言われたね」
樵はにこりと笑って神宝だけでなく他の子達にも言いました。
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