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夢幻水滸伝

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第八十九話 東国統一その一

               第八十九話  東国統一
 日毬は宮沢と宮子、千歳の三人を相手に戦い続けていた。宮沢は神具である弓矢の水破を使い宮子は術、千歳は風水師の力を使って日毬を攻めていた。
 千歳は鎌ィ足を出して日毬に向けて放った、宮子は隙を見て寒波の術を放つ。周りは千歳が先に出した雨嵐がまだ吹き荒れている。
 その嵐の中でだ、千歳は弓矢を放つ宮沢に尋ねた。
「攻められる?」
「大丈夫だ」
 これが宮沢の返事だった、実際に日毬に対して間合いを見つつそのうえで矢を次から次に放っている。
「おらの弓矢は神具だ」
「だからなの」
「天候とかに関係なくだ」
 それでというのだ。
「攻撃を放って威力も落ちないだ」
「そうなのね」
「水破の矢はだ」
 それはというのだ。
「嵐も雨も突き抜けてだ」
「敵を攻めるのね」
「そだ、だから心配無用だ」
 千歳が風水の力を使ってもだ。
「そのまま嵐も鎌ィ足も使うといいだ」
「そうさせてもらうわね」
 千歳もそれならと応えてだ、そしてだった。
 今度は日毬の足元に地崩れを起こして落とそうとした、しかし日毬は一早くそこから跳んでだった。
 難を逃れた、そこに宮子が放った雷が来たが。
 日毬は雷は右手の和泉守で両断して打ち消した、宮子はそのうえで着地した日毬を見て宮沢と千歳に対して言った。
「見事ね」
「んだな」
 その通りだとだ、宮沢が答えた。
「先輩おらの矢もだ」
「かわして切って払って」
「そんな風にすっから」
 それでというのだ。
「先輩強いだ」
「流石日本一の剣豪ね」
「強いだ」
「私もやられるつもりはない」
 日毬は着地してから鋭い目で応えた。
「ここで三人を降すつもりだ」
「だからですか」
「私は常に本気だが」
 宮子に生真面目な声で返した。
「今もだ」
「相手に常に全力で向かわれますか」
「それが礼儀だ」
 だからだというのだ。
「手を抜いたり愚弄することはしない」
「そうですね」
「だからだ、諸君等もだ」
 三人もというのだ。
「全力で向かい倒してだ」
「降すというのですね」
「そうする、覚悟はいいな」
「先輩のお言葉は聞きました」
 確かにとだ、宮子は宮沢に応えた。
「ですが」
「それでもか」
「私達も降るつもりはありません」
 そこは絶対だというのだ。
「ですから」
「諸君等も全力で戦うな」
「そして負けないです」
「ここで先輩を退けて」
 千歳も必死で言ってきた。
「そうしてです」
「ここは下がるだ」
 会津若松城からだとだ、宮沢も日毬に告げた。
「そしてまた戦うだ」
「やはりその考えか、だが」
 それでもとだ、日毬は両手に持った刀を構えた状態で三人い返した。
「こちらは長く戦う気はない」
「だからだ」
「ここで終わらせる」
 今の会津若松城での戦いでというのだ。 
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