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夢幻水滸伝

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第八十八話 会津の攻防その十五

「日毬ちゃんが向かってくれてるならそっちは任せてな」
「我等は、ですね」
「城の制圧にかかる」
「そうしていきますね」
「そうするぜ、向かって来る敵は倒してな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「はい、そうしてですね」
「城の中を進んでいく」
「そうしていきますね」
「そうだ、そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「この城でこの戦終わらせるぜ」
「わかりました」
「それではですね」
「戦を終わらせる為にも」
「城を攻め取りましょう」
「そういうことでな、あと腹が減ったらな」
 その時のこともだ、幸田は兵達に話した。
「握り飯用意してあるからな」
「それを食う」
「そうすればいいですね」
「ああ、思う存分食えよ」
 その握り飯をというのだ。
「そうして力をつけてな」
「また戦う」
「そうすればいいですね」
「腹が減った時は」
「腹が減ったら戦はできねえさ」
 ただしこの世界ではスケルトンやゴーストといった種族では違う、彼等は骨か実体がないので食事の必要がないのだ。他の手段でエネルギーを手に入れるのだ。
「だからだ、いいな」
「用意された握り飯を食い」
「そのうえで」
「戦えよ、そうして先に進んでいくぜ」
 城の中の、というのだ。
「いいな」
「わかりました」
「では腹が減ったら握り飯を食います」
「そうしていきます」
「こうした時は握り飯でい」
 何といってもだとだ、幸田は言い切った。
「だからたらふく用意させたぜ」
「その握り飯を」
「そうしてくれてますね」
「おう、戦だからな」
 それ故にというのだ。
「どんどん食えよ」
「そうさせてもらいます」
「そのうえで最後まで戦います」
 兵達も応えてだ、そうしてだった。
 関東の兵達は握り飯も食いつつ戦った、戦いは続きそうして攻めていっていた。会津若松城の戦は続いていた。


第八十八話   完


                   2018・11・1 
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