オズのファイター大尉
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第六幕その七
「凄く高い木なら見えても」
「そうなんだよね、麓に着くのはね」
それこそと言うジャックでした。
「そこからね」
「まだ先だね」
「そうだよ、それであと少しで」
「少しで?」
「バイソンの牧場に着くから」
それでというのです。
「楽しみにしておいてね」
「それじゃあ」
「大人しいから安心してね」
大尉もバイソンのことをお話します。
「突進したりしないから」
「大人しいんですか」
「牧場の牛達と同じだよ」
「基本同じ牛ですしね」
「そうそう、牛の仲間だしね」
それだけにというのです。
「彼等もね」
「牧場の牛と同じですね」
「大人しいんだ」
「そうなんですね」
「それでミルクも採れるから」
「バイソンのミルクも」
「もうお話してるけれどそのミルクも乳製品も楽しみにしておいてね」
バイソンのミルクから造ったそれをというのです。
「そうしておいてね」
「わかりました」
五人で大尉に笑顔で答えました、そうしてです。
一行はバイソンの牧場に着きました、するとその牧場の中にいる黒に近い焦げ茶色の毛で大きな身体に小さな目のバイソンたちがいます。
そのバイソン達を見てです、ドロシーが言いました。
「ここに来たのは暫くぶりだけれど」
「それでもだね」
トトがドロシーの足元から彼に応えます。
「いい場所だって思うんだね」
「ええ、本当にね」
実際にと答えたドロシーでした。
「何時来てもね」
「そうだよね、やっぱりね」
「牧場のよさが出ていて」
「しかもバイソン達だから」
「独特の野性味もあって」
バイソンが持っているそれがというのです。
「余計にね」
「いいよね」
「だから私ここに来ることも楽しみだったし」
「実際にだね」
「今楽しい気持ちになってるわ」
「それは何よりだよ」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「一つ思うことは」
それはといいますと。
「今牧場の人がいないけれど」
「あっ、そういえばそうだね」
「何処に行ったのかしら」
「じゃあ呼ぼうか」
大尉がドロシ―達に言ってきました。
「今から」
「そうするの?」
「うん、どうかな」
「そこまでしなくていいんじゃないかしら」
別にとです、ドロシーは大尉に考えるお顔で答えました。
「別に」
「いいんだ」
「だって近いうちにね」
「牧場の人も来るから」
「だからね」
それでというのです。
「待っていましょう」
「ここに牧場の人が来ることを」
「そうしましょう」
こう言うのでした。
「ここはね」
「それじゃあ」
「あの、牧場の人っていますと」
神宝がドロシ―達の会話を聞いてドロシーに尋ねました。
「どんな人ですか?」
「バイソンだからネイティブの人かな」
ジョージはバイソンからこう考えました。
「ひょっとして」
「ああ、あの人達バイソンと縁が深いからね」
カルロスも言いました。
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