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夢幻水滸伝

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第八十七話 青葉城の会見その十一

「だからな」
「一体一体で暴れられてもやばいがな」
「数体で出て来ることも多い」
「だからおいら達でもないとな」
「大軍を以てあたらないと太刀打ち出来ない」
「この世界での最大の脅威だ」
「じゃああれか?」
 幸田は久志のその言葉を聞いて述べた。
「この世界を脅かすものってのはな」
「巨人だというのだな」
「おいらそうじゃねえかって思ってるけれどな」
「その可能性は高いな」
 日毬も否定せずに答えた。
「実際に最大の脅威になっている」
「そうだよな、江戸にも出たりするしな」
「そして我々が倒しているが」
「あの連中がどうしていつもいきなり出てきて暴れるか」
「それもわからねえしな」
「そうだ、まさに神出鬼没だ」
 文字通りにというのだ。
「そうして暴れ回るからな」
「街も村も何もかも壊してな」
「この世界を脅かすものか」
「あいつ等こそって思うよな」
「自然とな、しかし連中は本当にな」
 日毬は腕を組み考える顔で述べた、今も赤目族が出す目の光を防ぐ為にサングラスをかけているが思考は表情に出ている。
「何者かが問題だ」
「何処に住んでてどんな生活をしてるか」
「全くわかっていないからな」
「結構種類いるしな」
「俗にファイアージャイアントやフロストジャイアントと呼ばれるな」
「そんな連中もいるしな」 
 それぞれ身体が燃えていたり氷の身体を持っている、言うまでもなく炎や冷気を操る巨人達である。
「サンダージャイアント、ポイズンジャイアントとかな」
「雷や毒を使う種族もいる」
「あれか?別の世界からな」
 幸田は考える顔でさらに言った。
「天界や魔界みたいにな」
「別の世界があってか」
「そこから来てるじゃねえか?」
 これが幸田の読みだった。
「それでな」
「こちらの世界で暴れてるか」
「おいらこうも思うけれどな」
「そうかも知れないな、とかくだ」
「巨人にわかってることは殆どねえしな」
「うむ、かなり高い可能性でだ」
 実際にとだ、日毬はまた述べた。
「この世界を破壊しかねない脅威はな」
「巨人だな」
「関係していることは間違いない」
「そう思うな」
「誰だって思うだろ、幾ら何でもおかしいからな」
「あの連中の全てがな」
「そうだろ、じゃあ巨人をどうするか」
 それをとだ、また言った幸田だった。
「それは出て来たらな」
「即座にだな」
「星の奴、おいらを含めてな」
「二人位はな」
「行かせたいな」
「最悪でも一人はだ」
 まさにと言うのだった。
「送る」
「そうして退治しねえとな」
「それも我々星の者の務めだ」
「おいら達でないと巨人を一人で倒せねえからな」 
 星の者の力故にのことだ、彼等は絶大な武力と知力を持ちしかも多くの術を使えて神具も持っているからだ。この世界に元からいる者よりも遥かに強いのだ。
 だからだ、幸田も言うのだ。 
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