| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十七話 青葉城の会見その九

「出来るだけな」
「戦はだね」
「避けたいところだよ、しかも戦をしていて東海や北陸から攻められるとな」
「甲信もだしね」
「厄介だしな」
「だからだね」
「おう、戦にならないならな」
 それで東北と蝦夷が手に入ればというのだ。
「最高でい」
「やっぱりそうだよね」
「だからな、ちょっとな」
 まずはというのだ。
「人を送るか」
「それじゃあね」
「ああ、それとな」
 ここまで話してだ、幸田は麻友にあらためて話した。
「東北の連中って悪い奴等じゃないよな」
「人の星の子が三人だね」
「そうだよな」
「別に聞いてないよ、学校でも寮でもね」
「ああ、寮生だったな三人共」
「あたし達と一緒よ」
 神戸にある学校に関東から自宅通学は難しい、それで幸田達にしても学園の中の寮で生活を送っているのだ。
 そしてだ、東北の三人もなのだ。
「吉君も宮沢君知ってるね」
「ああ、顔を見合わせたりするぜ」
「悪い子じゃないよね」
「特にそんな印象ねえな」
「こっちもだよ、小林って娘は農業科だからよく知らないけれど」
 学科が違うと寮も違うからだ、それで普通科にいる麻友は千歳のことをよく知らなくてこう言ったのだ。
「それでも萩原ちゃんはね」
「ちゃん付けかよ」
「結構お話したことがあって一緒にお風呂に入ったこともあるよ」
「寮の大浴場だよな」
「そうだよ」
 そこだというのだ。
「そこに入ってね」
「それでか」
「お話したりしてるよ」
 こう言うのだった。
「人としてしっかりしていてね」
「悪い娘じゃないか」
「だからね」
 それでというのだ。
「話をしてもか」
「悪くないわよ」
「そうか、それじゃあな」
 幸田は麻友のその言葉も聞いてそうしてだった。
 幸田は東北と蝦夷の三人のところに使者を送ってから今度は日毬に言った。
「さて、話がちゃんと収まってな」
「そうしてだな」
「東北と蝦夷が入ったらな」
 その時はというのだった。
「それでよしだけれどな」
「そう上手くいくかだな」
「ああ、話がまとまらないとな」
 その時はというのだった。
「いいな」
「戦だな」
「そうするぜ、だからな」
「戦の用意はだな」
「しておこうな、まず攻めるのはな」
「会津だな」
「おうよ、会津若松城よ」
 この城を攻めるとだ、幸田は言い切った。
「あそこを攻めてな」
「そのうえでだな」
「あそこを拠点としてな」
「それからだな」
「東北を攻めるぜ」
 まさにと言うのだった。
「蝦夷までな、けれどな」
「それはだな」
「最後の手段だぜ」
 本当にと言うのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧