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インフィニット・ロックマン~黒の弟と青の姉~

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接触

 
前書き
初代シリーズのOPステージが7と8しかない件。 

 
Mr.XことDr.ワイリーの逮捕により、世界は一時の平和を取り戻していた。
 
 
 
そして、ここはDr.ライトの研究所
 
 
「・・・・・・・・・・違うな、この方式の方が・・・・・・でも、これだと今度はボディに負担を掛けてしまうな。」
 
窓からそよ風が吹いている中、チフユは机に向かって設計図面を描いていた。
 
元の世界では考えられない光景だが今の彼女にとってはこれが日常となっている。
 
「やっぱり、お父さんには敵わないな・・・・・・・幸いこの間の件はヤマトマンの装甲を薄くしておいたことがロックを勝利させるカギになったが・・・・・・私もまだまだ先だな・・・・・・・」
 
鉛筆を置いて彼女は窓から外の景色を見る。
 
ここにはいない友人の束ならもっと高性能のロボットを作れていたのかもしれない。父であるライトから教わっているとはいえ、精々できるのがロックたちのメンテナンスぐらいなので自作のロボットを作れる日はまだまだ遠く感じる。
 
「チフユ姉さん、お茶・・・・・・まあ!また、こんなに散らかして!」
 
部屋にお茶を持って入って来た金髪の少女は頬を膨らませながら怒る。
 
「あっ、ロール。すまない、お茶なら・・・・・・」
 
「それよりも先にお掃除!」
 
「・・・・・だよな。」
 
チフユは諦めてロールと一緒に掃除を始める。
 
別にできないわけではない。
 
しかし、研究に没頭するとライト同様に部屋を片付けない癖がついてしまっているのだ。
 
「・・・・・義理の親子とは言え、似るもんだな。」
 
「もう、姉さんったら夢中になると博士みたいに片づけないんだから・・・・・・」
 
「悪かった。ここ最近平和になったものだからつい・・・・・」
 
「言い訳はダメ!」
 
「うぅ・・・・・・」
 
『ピィー。』
 
そんな二人の元へ青いメットの鳥が飛んできた。
 
「おっ、ビート。っという事は・・・・・・」
 
「ロールちゃん、姉さん、ただいま。」
 
「あっ、ロック。お帰りなさい。」
 
癖の強い黒髪の少年が買い物袋を置く。
 
「お遣いご苦労だったな、ロック。」
 
「うん。ワイリーも捕まって平和になったからね。」
 
「・・・・平和か。」
 
「あっ、姉さん。街でヤマトマンのことについて聞いてきたけど、道場で頑張っているそうだよ。」
 
「本当か!?」
 
「うん。会いに行ってきたけど姉さんに宜しくお願いしますだって。」
 
「そうか・・・・・・・立ち直ってくれたか・・・・・」
 
「ヤマトマンは、お姉さんが初めて作ったロボットだもんね。」
 
「ん?そう言えばライトットはどうした?」
 
「あぁ、ライトットなら外で車を・・・・・・・」
 
「大変ダスッ!!」
 
そこへ相撲取り体形の緑のロボットが慌ただしく部屋の中へ上がり込んでくる。
 
「どうした?ライトット。」
 
「チフユ嬢さん、一大事ダス!さっきラジオで街でロボットが暴れて刑務所を目指しているそうダス!」
 
「なっ!?」
 
「街って、確か博士が・・・・・・」
 
「大変だぁ!急いで博士を迎えに行かなくちゃ!」
 
ロックたちは急いで車に乗って街へと急行しようとした。
 
「あっ!待ってロック!」
 
チフユも急いでアンダースーツに着替えて車に乗り込む。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Opening Stage
 
「ライトット、急いで!」
 
「合点ダスッ、ロックマン!ロールちゃんもチフユ嬢さんも危ないからしっかり掴まっているダスよ!」
 
ライトットは全速力で街の中を車で移動していた。
 
「怖いわ・・・・・ロック・・・・・また、ワイリーが悪いことをしようとしているの?」
 
心配そうな顔をするロールにチフユは肩に手を置く。
 
「心配するな、博士にはラッシュを付かせている。それにもしワイリーが脱走したとしたらまた捕まえるだけだ。」
 
「うん!それにライト博士が戻ったらラッシュと僕をパワーアップしてくれるよ!」
 
そんな会話をしている間に道は険しくなり、刑務所からそれほど遠くない辺りで車が登れないほどの道になった。
 
「ロックマン、ここから先は道路がデコボコで車では進めないダス。」
 
「二人は危ないから此処で待ってて。」
 
「あっ、そうダス。ロックマン、忘れ物ダスよ。」
 
ライトットは車の助手席からメットを取り出し、ロックは頭に被る。
 
「・・・・・・これ、メットールのヘルメットだよ。」
 
「あり?」
 
「馬鹿者、メットールのメットとロックのメットをどうすれば見間違えるんだ。」
 
チフユはライトットの頭をどこに隠しているのかハリセンで叩く。
 
「イタタタ・・・・・こっちの方がかっこいいと思ったんダスけどね・・・・・・」
 
ライトットは改めて青いヘルメットをロックに渡す。
 
「うん、これこれ。」
 
ロックはメットを被り、戦闘形態ロックマンへと変わる。
 
「よし、私も行くとするか。」
 
チフユは手に嵌められているブレスに念じる。すると彼女の周りに青いアーマーが精製され、体に装着される。その姿は、二人並んでみると明らかに本当の姉弟に見える。
 
「システムチェックよし。ISアーマー『ROCK』、装着完了。」
 
2人は準備を整えると車から降りる。
 
「気をつけてね、ロック。チフユお姉さん・・・・・」
 
2人の後姿を見送りながらロールは無事を祈る。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
しばらく移動するとライトが道端で取り残されているのを確認できた。彼のすぐ傍にはラッシュが待機している。
 
「博士!」
 
「お父さん!」
 
「ロック?チフユも来てくれたのか?」
 
ライトは二人を確認するとどうにか立ち上がる。幸い目立った外傷はないようだ。
 
「大丈夫ですか?」
 
「すぐにロールちゃんを連れてきます!」
 
「いや、わしのことはいい。それより急ぐのじゃ!ワイリーのロボットが街を襲っている!このままではワイリーが脱獄するかもしれん。」
 
そう言った矢先に3人の目の前に見える刑務所が警報を鳴らしだした。その警報に答えるかのように四つのまばゆい光が刑務所へと乗り込んで行く。
 
しばらくすると刑務所の一部が崩れ、空飛ぶ物体がこちらに飛んでくる。
 
ワイリーの円盤だ。
 
「ヌッフッフッフッフッフ・・・・・・まさか、万が一に備えて用意していた保険がこういった形で役に立つとはのう。」
 
ワイリーは笑いながら三人の目の前にやって来た。
 
「ワイリー・・・・・・」
 
「久しぶりじゃのう、チフユ、ロックマン。今まではお前たちのおかげでワシの世界征服の野望がことごとく失敗に終わったが今度はそうはいかんぞ?何しろ今度のワシにはとっておきがあるのじゃからな!ナハハハハハッ!!」
 
ワイリーはそう言うと円盤の中に戻り、去って行ってしまった。
 
「まさか、ワイリーが脱獄してしまうとは・・・・・・・」
 
「ロック、お父さんは私が安全な場所へ連れて行く。お前は一足先にラッシュと一緒にワイリーの円盤を追ってくれ。私もすぐに合流する。」
 
「うん!わかったよ、姉さん。行くぞ、ラッシュ!」
 
『ワン!』
 
チフユと別れてロックマンはワイリーの円盤を追いかける。
 
ロックバスターで、近くにいるメットールとブンビータンクを撃破していくとロックマンの目の前に巨大なローラーを構えたマッドグラインダー が迫ってきた。マッドグラインダーは頭部のモヒカンをカッターにしてロックマンに攻撃する。
 
「うぉっと!」
 
ロックマンはスライディングをして距離を取るとチャージショットでグラインダーを攻撃する。グラインダーは、ローラーでロックマンを引こうとするがロックマンはラッシュジェットで回避してロックバスターで集中攻撃する。
 
抵抗する間もなくグラインダーは、爆発して崩壊する。
 
「よし、早くDr.ワイリーを追いかけないと・・・・・・・!?」
 
追いかけようとした束の間、一発の光弾がロックマンに迫る。
 
「これはっ!?」
 
ロックマンは急いで回避して飛んできた方を見るとそこには黒いアーマーを身に纏ったロボットがいた。
 
「・・・・・」
 
ロボット?は、ロックマンに向かって右腕をバスターに変形させて攻撃して来る。
 
「!!」
 
ロックマンも負けまいと攻撃を回避しながらロボット?に攻撃を仕掛ける。
 
「・・・・・早い。」
 
ロボット?は、聞こえない声で言い、ロックマンと戦闘を続ける。
 
しばらくしてロボット?が脇腹を負傷すると後ろに狼型ロボットがやってきて彼を庇った。
 
「・・・・・流石だな、ロックマン!」
 
「えっ!?僕を知っているの!?」
 
ロボット?が自分を知っていたことに驚き、ロックマンはロックバスターを戻す。
 
「君は、誰・・・・?」
 
「ロック、すまない。今、合流・・・・・!!」
 
遅れて合流してきたチフユは、ロボット?の顔を見て唖然とする。
 
「俺の名はフォルテ。コイツはゴスペルだ。」
 
フォルテと名乗ったロボットは、立ち上がる。
 
「俺たちは、ワイリーの手から世界を守るために戦っているんだ・・・・・・」
 
「そ、そんな・・・・・・・そんな馬鹿な・・・・・・」
 
フォルテの顔を見ながらチフユは動揺する。
 
「お前の力を試させてもらった。流石だな、ロックマン。行くぞ、ゴスペル!」
 
『ガウガウ!!』
 
そう言うとフォルテは、ゴスペルと共にどこかへ転送されて行ってしまった。
 
「・・・・・・フォルテ・・・・?一体何者なん・・・・・あれ?」
 
ロックマンはようやく後ろで動揺しているチフユに気がつく。
 
「チフユ姉さん?どうしたの?そんな顔して?」
 
「・・・・・・チカ・・・・・」
 
「?」
 
「い・・・・・・一夏・・・・・・」
 
「一夏?」
 
顔を真っ青にしたチフユを見て流石のロックマンも心配になる。
 
「姉さん、大丈夫?」
 
「あ・・・・・あぁ・・・・・・」
 
「・・・・・早くライト博士に診てもらわないと・・・・・・」
 
ロックマンは、千冬の手を引っ張りながらロールたちがいる方へと戻って行った。 
 

 
後書き
8編やるかどうか検討しています。 
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