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不思議な少年

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第三章

 それ並の者達より遥かに速く飛べる、星の者達の力の一つだ。そうしてそのうえで街の東の方に行くとだった。
 平原部に多くのワームが出ていた、全長三十メートルはある巨大な芋虫に似た凶暴な昆虫型モンスターだ。
 マーガレットはそのワーム達を見てテレサに言った。
「これは放っておいてな」
「街に来ればな」
「大変なことになるから」
「だからだな」
「あれが虹蛇が出したのかどうかわからんけど」
 見ればワーム達は何十匹もいる、巨大なモンスター達だが普通は有り得ないまでに出ている。他にも多くの地中に棲息しているタイプのモンスターがいる。合わせて二千匹はいるか。
 だがそのモンスター達の大群を見てだ、マーガレットはテレサに対して憶することなく言った。
「全部倒してな」
「街を護るぞ」
「そうしよな」
 こう言ってだった、マーガレットは自身の神具であるダインスレイフを出した。テレサも死神の大鎌を出した。
 そのうえでワームを中心としたモンスターの大群に空から襲い掛かった、二人は高空から一撃離脱で直接攻撃を仕掛け。
 空から爆撃の要領で術での攻撃を仕掛けた、そうして地上や地中から攻撃を仕掛けるモンスター達をだった。
 時間をかけてもそれでも全て倒した、これで街に迫ろうとしていた危機は取り除いたと思われたが。
 今度は大地から日本の特撮ものの怪獣を思わせる全長百メートルを超える恐竜を思わせる姿の漆黒の鱗に覆われたティラノサウルス型の何者かが出て来た。マーガレットは出て来たそれに対して空から尋ねた。
「虹蛇さんやね」
「如何にも、この辺りの大地を守護する虹蛇だ」
 マーガレットの問いにこう返してきた。
「我はな」
「やっぱりそうなんやな、けどな」
 マーガレットはここでテレサと共に大地に降り立った、そうして虹蛇と正面から対してそのうえで彼に尋ねた。
「今回怒ってるって聞いたけど」
「如何にも、近くの鉱山のことでな」
「そこで何があったんや」
「掘っていることに怒っているのだ」
 虹蛇は実際に怒っている声であった。
「あまりにも五月蠅くてな」
「あの、五月蠅いって言うても」
 マーガレットは怒って言う虹蛇にどうかと言う声で返した。
「あの鉱山は昔からあって掘ってて」
「我が今怒るならか」
「もうとっくに怒ってへん?私が知る限り」
 この世界に来てからのことだ。
「別にな」
「そうだ、我がこれまで怒ったことはだ」
「一度もないねんな」
「そうだった」
「それが何で今怒ってるん?」
「そうだ、あのワーム達に何千ものモンスター達を出して街を襲わせようとしたな」
 テレサも虹蛇に問うた。
「そうだな」
「そうだ、あのモンスター達は全て我が出してだ」
「街を襲わせてか」
「懲らしめようと思った」
 虹蛇は嘘を言わず答えた。
「虹蛇は嘘を言わない」
「やはりそうか」
「けれどや、怒るんやったらな」
 マーガレットはまた虹蛇に言った。
「もうな」
「既にだな」
「怒ってるやん、鉱山が出来た時でも」
「これまでは昼にだけ掘っていたのだ」
「昼だけに」
「それが近頃夜も。まさに一日中掘っている」
 そうした状況になったというのだ、鉱山が。
「我はこれまで夜眠っていたからよかったが」
「夜も掘られるとその音がか」
「五月蠅い、それで寝られなくなったからだ」
「怒ったんか」
「そうだ、せめて夜は掘らないとだ」
 これまで通りにというのだ。 
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