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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百十八話 運動会の昼食その十

「必ずです」
「お袋ともう一度ですね」
「幸せな家庭を築かれます」
「そうなりますね」
「そしてです」
 畑中さんは僕にさらに話してくれた。
「義和様もそのご両親をご覧になれます」
「それはいいですね、やっぱり親同士の仲がいいと」
 つまり親父とお袋のだ。
「それだけで嬉しいですからね」
「そうですね」
「子供としても」
 よく両親の仲が悪くて子供の成長に影響したという話がある、やっぱり家庭がいいか悪いかは大事なことなのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「はい、僕もです」
 実際にだ。
「親父とお袋にはです」
「仲良くしてもらいたいですね」
「絶対に」
 畑中さんにこう答えた。
「そうしてもらいたいです」
「そしてそのことはです」
「親父とお袋ならですね」
「大丈夫です」
 こう僕に話してくれた。
「何があろうとも」
「そうですね、そして僕も」
 僕自身のことも言った。
「努力してこそ」
「はい、それが実ってです」
「幸せになれますね」
「若し何も努力しないと」
「何も掴めないですね」
「幸せも他のものもです」
 一切、というのだ。
「そしてです」
「無為な人生を歩いてしまうんですね」
「それならいいですが」
「野垂れ死にとかもですか」
「有り得ます」
 こうしたこともというのだ。
「私の知人でいました」
「そうした人が」
「何もせず、働かず人間性も磨かず」
「何をしていたんですか?」
「本を読むだけですが」
 それでもというのだ。
「本を読んでもです」
「学んでいなかったんですか」
「ただ上から目線に立って言うだけで」
「そうする為だけに本を読んでいたんですか」
「そうです、本は本来はです」
 まさにとだ、畑中さんは僕に話してくれた。
「人と世を知ったり教養や人間性を高める為ですね」
「その為に読みますよね」
「しかしその人はです」
「そうしたことはですか」
「一切せず」
 そしてというのだ。
「人間性も磨かず」
「働いてもですね」
「そこからも磨かれますが」
 それでもというのだ。
「奥さんは働いて自分はです」
「働かないで」
「少し働けば文句を言い。お世話になっている人にもです」
「文句を言っていたんですか」
「はい、何処に行っても」
 そうだったというのだ。
「そして上から目線で言うだけで」
「偉そうにですか」
「それだけで」
 それでというのだ。
「一切何もせず。恩義も義理も感じることなく」
「何かどうにもならないですね」
「粗暴で短気にもなっていき」
 劣化、人間としてそうなっていたのだろうか。 
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