夢幻水滸伝
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第八十六話 蝦夷地からその九
「今はね」
「今のうちにですね」
「あの領土を手に入れて」
「そしてですね」
「治めていきますか」
「そうしていきましょう、蝦夷地だけでなくてね」
そうした島々もというのだ。
「手に入れていきましょう」
「わかりました、では」
「まずは蝦夷地を完全に統一し」
「それからですね」
「北の島々も」
「大陸まではいかないけれど」
即ちカムチャッカ等には行かないというのだ、そこまで進出しては人口つまり国力に比して勢力圏が大きくなり過ぎると思ってのことだ。
「島はね」
「手に入れて」
「そうしてですね」
「やっていくのですね」
「それと浮島もね」
こちらもというのだ。
「手に入れていっているけれど」
「あの辺りの浮島はほぼ無人ですが」
「いても僅かです」
「ですがそういった島々もですね」
「手に入れていきますね」
「ええ、人がいなくても」
それでもとだ、千歳は長老達に話した。札幌の長老達だけでなく今や函館や十勝等の長老も集まって議会の様になっている。
「資源とかはあるし領土にされたら」
「ロシア等にですね」
「だから浮島も領土にしていく」
「そうしていきますか」
「そうよ、先に手に入れたら大きいから」
後で領土を巡って戦になるかも知れないがというのだ。
「それでもね」
「領土を手に入れていき」
「そしてそのうえで」
「勢力も拡大していきますか」
「少なくとも蝦夷の一帯は領土にしますか」
「浮島も含めて」
「ええ、ただ本当に大陸には進出しないから」
そこは絶対だというのだ。
「カムチャッカまではね」
「進出しない」
「その境辺りで止まりますか」
「そこから北は行かないですね」
「ええ、絶対にね」
千歳はそこは言い切った。
「領土は拡げ過ぎてもよくないと思うし」
「わかりました、そいれでは」
「その様にしてですね」
「勢力は拡大させて」
「蝦夷地を治めていきますか」
「そうしましょう」
こう話してだ、そしてだった。
千歳は実際にその様に勢力を拡大していった、蝦夷だけでなくその北の島々を浮島まで含めて手に入れていった。
そうして一帯を完全に掌握してからあらためて蝦夷の棟梁となりそのうえで長老達にこんなことを言った。
「後はね」
「はい、蝦夷を統一しましたし」
「ここからどうするか」
「それが問題ですね」
「北はもういいわ、後はね」
主な長老達と食事を共に摂りつつ言うのだった。
「南となるわね」
「本州に進出しますか」
「そうされますか」
「そう考えているけれど」
それでもと言うのだった。
「私は世界の支配者になるとかね」
「そうしたお考えはないですね」
「棟梁には」
「左様ですね」
「そうなのよ。元々権力とかは」
そうしたものはというのだ。
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