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小さな腕輪

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第五章

 それでティンはダーガーとアメダーヒェンやモヒンガー、ダンパウといったミャンマー料理を店の中で食べつつだった。酒を飲んでいたが。
 ここで自分の手にマンドラゴラ、人の部分が赤子になった様なものが手の平に出て来てからダーガーに話した。
「これは人参果やな」
「西遊記に出てきたな」
「切った部分を煎じて飲むと傷が回復してあらゆる毒や麻痺を治してくれる」
「そうした神具か」
「そや、石化もなおしてくれる」
「相当ええやつやな」
 ダーガーも話を聞いて言った。
「その神具は」
「切ってもすぐにその部分が元に戻る、全部使ってもな」
「元に戻るか」
「そう今それがしの心の中で言うてるわ」
「自分は獣の術に加えてそんなものも手に入れたな」
「そやな、そしてそれがし自身も」
 ティンは今度は自分のことを話した。
「今回の神託を適えて」
「それでやな」
「これまで以上にな」
「強くなったな」
「全体的に一回りな」 
 そうなったというのだ。
「有り難いことに」
「それは何よりやな」
「それでな」
 ティンは飲みつつダーガーに話した。
「これからな」
「ああ、このミャンマー料理食い終わったらな」
「それからな」
「次の場所に行くな」
「そうしよな、それがしの神託は適えた」
 それはというのだ。
「けどな」
「私達の目的はこの世界を救うことや」
「神託を適えることやないからな」
「そやからな、ここはな」
「食べて飲んだら」
「次の場所に行こうな」
 モヒンガーを食べつつだった、ティンはダーガーに言った。そうしてそのうえで次の場所に向かうのだった。彼自身が言った通り。


小さな腕輪   完


                   2019・3・21 
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