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八条学園騒動記

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第五百六話 イッカククジラの牙その二

「冬は真っ白になる」
「あの真っ白なのが奇麗よね」
「アザラシにペンギンもいるしな」
「本当に独特よね」
「ただし。シロクマは凶悪だ」
「ああ、滅茶苦茶強いのよね」
「しかも凶暴だ」
 このことはどの星のシロクマつまりホッキョクグマも同じだ。星によって南極にいる種類もいるがこちらはナンキョクグマと呼ばれる。
「近くに寄ると危険だ」
「そうよね、私熊はよく知らないけれど」
「草原にはいないな」
「ソウゲングマっているけれど」
 星によってはこうした種類の熊も存在している、名前通り草原に棲息していて群れを為して生活をしている。足はかなり速い。
「私がいた星にはいなかったから」
「草原にはいないとだな」
「こう言ったのよ」
「そうだな」
「まあそれでシロクマはね」
 ナンはあらためてこの生きものの話をした。
「凶悪よね」
「本当に迂闊に近寄るとな」
「モンゴルの力士さんでも勝てない位に」
 この時代でもモンゴルはこの競技での強さでも有名だ、モンゴルの国技でもあり日本の相撲とも並び称されている。
「強くて」
「危険だ」
「そのこと覚えておくわね」
「草原にはいなくともな」
「そうしておくわね、熊もいれば」
「シャチもいる」
 この生きものもというのだ。
「寒い海にもな」
「というかシャチって海の何処でもいるわね」
「棲息している星ではな、この水族館にもいるが」
 飼育されているものがだ。
「大きいしな」
「普通に五メートルあるわよね」
「だから人間は襲わないが」
 それでもというのだ。
「あらゆる寒帯の生きものを襲う」
「そっちの方が凶悪ね」
 ホッキョクグマよりもとだ、ナンも述べた。
「正直言って」
「当然イッカクも襲う」
 ダンは素早く泳ぐ雄の一角を観つつ話した。
「普通にな」
「シャチってイルカのの天敵よね」
「イルカは鮫は頭で逃げるが」
 その頭のよさを使ってだ。
「しかしシャチには無理だ」
「シャチの方が頭いいしね」
「アザラシにとっても天敵だ」
 寒帯の可愛い住人と言うべきこの生きもの達にとってもというのだ。
「そしてだ」
「普通によね」
「襲って食う」
「やっぱり凶悪ね」
「頭がいいだけにな」
「その生きものも寒帯にいて」
「観ることが出来る」
「そうなのね」
「寒帯の海の生きもの達も面白い」
「そうよね」
「勿論熊や狐は入らないがな」
 海の生きもの達にはだ。
「それで海に限っても面白い」
「そうよね、私としてはアザラシがね」
「好きか」
「鯨も好きだけれど」 
 ナンもまた水槽の中を素早く動く雄のイッカククジラを観つつ話した。
「好きなのよね」
「そうなのか」
「ヒョウアザラシ以外は」
「あの凶暴なアザラシ以外はか」
「好きよ」
「ヒョウアザラシは凶暴だからか」
「あんなのに襲われた命に関わるじゃない」
 泳ぐのは達者でしかも牙は名前通りに鋭い。 
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