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不幸の文

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第一章

               不幸の文
 泉美奈代と国木田碧は美奈代の神託で今は日本の名古屋の近くのある街にいた、だがその街に入って二人はすぐに異変に気付いた。
「あの、何かです」
「うむ、白髪の者ばかりじゃのう」
 碧は美奈代に述べた。
「どうにもじゃ」
「左様ですね」
「白髪でやつれてじゃ」
 そうしてというのだ。
「どうにもじゃ」
「死にそうな感じのお人ばかりで」
「これはじゃ」
 まさにとだ、碧は指摘した。
「何かあるけえ」
「左様ですね」
「何もないと思う方がじゃ」
「おかしいですね」
「うむ」
 碧は美奈代にはっきりとした声で答えた。
「間違いなくじゃ」
「では」
「この異変について調べるとしよう」
「それでは」
「しかしじゃ」
「しかしとは」
「お腹がすいておらんか」
 美奈代に顔を向けて笑って話した。
「違うか」
「もうお昼ですし」
 美奈代も碧の言葉に応えた。
「それは」
「そうじゃな、それじゃあのう」
「まずはですか」
「何か食べてじゃ」
 そうしてというのだ。
「満腹になってからじゃ」
「それからですね」
「頑張ってじゃ」
 そのうえでというのだ。
「働くけえ」
「それでは」
「うむ、ではな」
 碧が主導してだった、二人は佐賀の街の食べもの屋を探した。だがここで碧はこんなことを言い出した。
「そういえばけえ」
「今度は何ですか?」
「いや、この辺りは焼き肉というかけえ」
 それよりもと言うのだった。
「鶏が有名だったけえ」
「それは」
 美奈代も言われて応えた。
「確かに」
「そうじゃけえな」
「はい、きし麺やお味噌もあって」
「それでじゃけえ」
「鶏もでしたね」
「だから食うけえ」
 その鶏肉をというのだ。
「勿論他のもんもじゃけえ」
「まずは食べることですね」
「腹が減っては戦は出来んけえ」
 この言葉もだ、碧は出した。
「だからけえ」
「ここはですね」
「鶏肉食べるけえ」
「では私は」
 美奈代もその話を聞いて言った。
「きし麺やういろうを、それに」
「それに?」
「海老も」
 こちらもと言うのだった。
「召し上がりたいですね」
「ああ、言われてみれば」
 その話を聞いてだ、碧は気付いた顔になって頷いて述べた。 
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