夢幻水滸伝
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第八十六話 蝦夷地からその一
第八十六話 蝦夷地から
小林千歳はこちらの世界に来てまず自分の背丈と姿のことをこちらの世界の者達に言われた、そうしてすぐに自分でも言った。
「私が北海道生まれだからなのね」
「北海道?」
「北海道って何処なんだ?」
「あっ、ここのことよ」
自分に話してくれたこちらの世界の者達にこう答えた。
「ここは蝦夷地っていうけれど」
「北海道って呼び名もあるのか」
「俺達ここで生まれ育ってるけれど初耳だな」
「そうだよな」
「そんな呼び方あったんだな」
「私達の世界ではね、しかしね」
千歳は彼等にあらためて話した。
「こっちの世界のことお話してくれる?」
「何か妙な言い方だな」
「こっちの世界にいなかったみたいにな」
「あんた何者なんだ?」
「一体な」
「そこは頭の中で現在進行形で誰かが話してくれているけれど」
こちらの世界に眠ることによって来ているとだ、そして星の者であること等もだ。
「こっちの世界のことも話してね」
「ああ、じゃあな」
「何か訳がわからないところあるけれどな」
それでもとだ、こちらの世界の蝦夷地の者達も頷いてだった。
千歳にこちらの世界のことも話した、それが終わってだった。千歳はうんうんと頷きそのうえで言った。
「わかったわ、じゃあ私もやることやらないとね」
「あんた自分を星の者だって言ったけれどな」
一人がこう言ってきた。
「じゃあこの世界を救ってくれるんだな」
「そうね、じゃあね」
それならとだ、千歳はあらためて答えた。
「ここはまずは」
「まずは?」
「蝦夷を何とかしないとね」
今自分がいるこの地をというのだ。
「早くね」
「それじゃあどうするんだい?」
「旗揚げよ、まあ私はコロボックルで風水師だから」
それでと言うのだった。
「剣とかで戦うことは出来ないけれど」
「武器持ってるのにか?」
「背中にちゃんとあるぜ」
「私にしては大きいけれど」
その背中にある刀、自分の神具であるクトネシリカを見て述べた。
「小人だからな」
「ああ、コロボックルだからか」
「それでか」
「小人が戦うことは」
それはというのだ。
「他の種族に比べて無理があるでしょ」
「まあ体格の違いあるからな」
「そこは仕方ないな」
「実際コロボックルの戦士とかっていないしな」
「武器持って前線で戦う職業はな」
「だからしないというか出来ないから」
それでと言うのだった。
「別の戦い方をするから」
「それでか」
「この蝦夷地をどうにかしてくれるのか」
「統一するわ」
これが千歳の返事だった。
「そして無事に治めて」
「そうしてくれるんだな」
「この蝦夷地を」
「そのつもりよ」
実際にというのだ。
「それで今ここは何処なのかしら」
「ここか?札幌だぜ」
「蝦夷地で一番大きな街だぜ」
「そう、じゃあ好都合ね」
札幌と聞いてだ、千歳は少し笑って頷いた。
「じゃあね」
「それならか」
「今からか」
「まずはこの札幌と周りを統一して」
そしてと言うのだった。
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