オズのファイター大尉
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第一幕その三
「皆さんの目の前で美味しそうに食べたことは」
「ああ、別にいいよ」
ジャックが神宝に笑って言いました。
「僕達は食欲自体がないからね」
「目の前で食べられても」
「食べたいとも飲みたいとも思わないし。それにね」
「それに?」
「皆が食べるのを見て」
それでというのです。
「心の栄養になっているから」
「いつも言っておられますね、そういえば」
「心でね」
それぞれの中にあるそれでというのです。
「君達の笑顔を見て楽しんでね」
「そうしてなんだ」
「そう、心が満足しているから」
だからだというのです。
「いいんだよ」
「笑顔が栄養だね」
「僕達の心のね」
「だからいつもパーティーに参加していて」
「楽しんでいるんだ」
「成程ね」
「そしてね」
さらに言うジャックでした。
「君達はこれからもね」
「楽しくだね」
「僕達の目の前で飲んで食べてね」
「それじゃあそうさせてもらうね」
「寝ることもだよ」
こちらもというのです。
「僕達は寝ることもしないけれど」
「僕達が寝ているのを見て」
「そうしてね」
そのうえでというのです。
「見守ってね」
「そしてだね」
「楽しんでいるしね」
「ううん、心が楽しむ」
「このことが一番いいんだ」
「そういえば僕達も」
神宝も言われて気付いて言いました。
「心がね」
「楽しむとだよね」
「どんな時でもね」
「満足出来るね」
「そういうことなんだね」
「そうだよ、僕達も心があるから」
それだけにというのです。
「楽しんでね」
「それが最高の栄養になっているんだね」
「そうだよ、それとね」
「それと?」
「神宝はあまり冷たいものというか冷えたものを食べないね」
「ああ、そのことだね」
神宝も言われてすぐに答えます。
「冷えた御飯とかだね」
「うん、注文することはないね」
「出されたら食べるけれどね」
「そうするけれどね」
「実は中国にいた時は絶対に食べなかったんだ」
冷えた食べものはというのです。
「冷えた御飯は特にね」
「熱いものをってなっていたね」
「日本に来てから食べる様になったんだ」
冷えたものもというのです。
「お握りとかもね」
「日本に来て変わったんだ」
「一回お握り勧められて絶対に無理って思ったけれど」
それでもというのです。
「食べてみたら美味しかったから」
「食べる様になったね」
「けれどね」
それでもというのです。
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