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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百十話 食堂からその十一

「告白した女の人に太ってるのは嫌って」
「それでショック受けてね」
「拒食症になったのね」
「何かもう精神的におかしくなって」
 そのことを周りに言われたり告白する様に言った友達と思っていた人達に避けられる様になってだ。
「異常に痩せて性格もね」
「変わったのね」
「うん、別人みたいになったよ」
「どんな風に変わったの?」
「明るい人だったのに」
 それがだ。
「暗くて必死に身体動かすんだけれど」
「異常に痩せて」
「食べなくなって勉強の仕方も偏執的になって」
「偏執的?」
「血走った目でいつも勉強してて」
 身体を動かさない時はいつもそうしている、今もだ。
「今に見ていろとか見返してやるとか」
「いつも言ってなの」
「勉強するみたいな」
「壊れたのね」
「そうなったね」
 僕が見る限りだ。
「振った人も自分にあれこれ言った人達のことずっと怨んでるし」
「すっかり病気になったの?」
「心のだろうね、僕とは普通にお話してくれるけれど」
「義和にはなの」
「それでもね」
「それでもね」
「変わったのね」
「明らかにね」
 こう言うしかない位にだ。
「何とか出来たらいいけれど」
「難しいのね」
「太ってるだけでね」
 本当にそれだけでだ。
「酷い断わりの仕方したら駄目だね」
「その人みたいな人作るから」
「うん、心からそう思ったよ」
 大学に入られたけれど今もそうだ、高校時代のことを忘れられずに何もかもを必死にやっている。必至と言うか偏執的だ。
「体重太ってた時より二十キロ以上痩せたらしいけれどね」
「二十キロは」
 千歳さんがびっくりして言ってきた。
「それはまた」
「身長一七五で九〇キロからね」
「七〇キロですか」
「六五キロ位かな」
 実際の体重はだ。
「まだ痩せようとしてるし」
「そこからですか」
「女の子は痩せれば痩せるだけいいと思ってるって言って」
 本当にこんなことを言っている、今も。
「最低限だけ食べて運動をしてね」
「六五キロからもですか」
「痩せようとしているんだ」
「それ以上痩せたらまずい気がするわね」
 イタワッチさんが言ってきた。
「私は」
「うん、僕もそう思うよ」
「それが標準よね」
「というか精神的にね」
 僕が話しているその人のだ。
「まずいことになってるから」
「これ以上痩せたら」
「悪化していくと思うから」
「もっと痩せようとして」
「そうなるからね、けれど」
 ここで僕は思った。
「普通女の子は皆男は痩せてれば痩せてる方がいいって思うかな」
「それはないですよ」
「有り得ないわよ」
 すぐにだ、二人で僕に答えた:
「病的な考えよ」
「幾ら何でも」
「やっぱりそうだよね、それだけショックだったんだね」
「失恋が」
「その後のことが」
 裏切られて思いきり周りに嘲笑されて言われた、それがだ。 
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